カレッジマネジメント222号
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34リクルート カレッジマネジメント222 / May - Jun. 2020第9回となる今回の調査は、大学入学共通テスト(以下、共通テスト)導入初年度に当たる高校2年生とその保護者の「高大接続改革」の捉え方を大きなテーマとして設計。共通テストの「英語外部資格検定試験活用」と「記述式問題の導入」が見送られる前の昨年9〜10月に実施、その時点での意識を探っている。本稿では、改革の「高校の教育」「大学入学者選抜」それぞれの結果に加え、保護者の進路選択への関わりの変化、将来に向けて必要な能力について報告する。高大接続改革についての設問では、「高校教育」「大学教育」「大学入学者選抜」の三位一体の教育改革であること、そして子ども達のために「新しい学力の3要素」として①知識・技能②思考力・判断力・表現力③主体性・多様性・協働性の育成が求められることを明記。そのうえで改革の内容への「期待」と「不安」を尋ねた。まず『高校の教育』の改革についてみると、保護者も高校生も期待が大きい結果となった(図表1)。保護者の「期待・計」の1位は「生徒が自らテーマを設定し、調べたり解決に向けて取り組む探究学習が重視される」(61.7%)。以下、「学んだことや経験したことを振り返り、次の目標を立てる『ポートフォリオ』が導入される」(56.8%)、「先生が知識を教え込む授業から、生徒が主体的に考え、保護者・高校生共に6割が高校の「探究学習」に期待調査報告期待が高い「高校教育」、不安が残る「大学入学者選抜」一般社団法人全国高等学校PTA連合会・小社合同調査第9回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」結果より●調査実施者一般社団法人全国高等学校PTA連合会 / 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ●調査対象全国の高校2年生とその保護者全国高等学校PTA連合会より依頼した9都道府県の各3校ずつ計27校の公立高等学校2年生2クラス分の高校生と保護者●調査期間2019年9月1日〜10月25日●調査方法学校を通した質問紙による自記式調査①高校生:ホームルームにてアンケートに回答②保護者:高校生から保護者へアンケートを手渡し③学級担任が高校生と保護者分を取りまとめ、その後学校責任者が学校分として返送●有効回答数高校生1,997人 ※全問無回答1人を除く保護者1,759人 ※全問無回答6人を除く【注】調査対象校のうち1校において、下記設問に不備がある調査票が配布されたため、集計対象から除外した。図表1 『高校の教育』に関する教育改革への期待と不安図表2 『大学入学者選抜』に関する教育改革への期待と不安図表9 子どもとのコミュニケーションや行動で教育改革を踏まえて特に心掛けたいこと【高校生】●性別男子47.0% 女子48.5% その他1.1%  (無回答3.4%)●高校タイプ普通科71.3% 専門学科21.8% 総合学科6.9%●高校卒業後の希望進路大学72.1% 短大1.7% 専門職大学0.5% 専門職短大0.2% 専門学校9.1%海外の大学等0.3% 就職15.0% その他0.9% (無回答0.5%)【保護者】●続柄父親11.6% 母親85.3% その他0.5% (無回答2.6%)●子どもの性別男子47.4% 女子50.0% その他0.2% (無回答2.4%)●子どもの高校卒業後の希望する進路大学57.2% 短大1.1% 専門職大学1.5% 専門職短大0.3% 専門学校3.7% 海外の大学等0.2%就職9.9% その他0.6% 子どもが希望する進路なら何でもいい23.6% (無回答1.8%)調査概要回答者プロフィール教育改革への期待と不安不安が大きい「記述式問題」「英語4技能評価」一方、個別大学の入試改革へは期待が高まる

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