カレッジマネジメント222号
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40リクルート カレッジマネジメント222 / May - Jun. 2020(%)010203040高大接続改革の流れは親子のコミュニケーションにも影響を与えるのだろうか。保護者に、子どもとの日常のコミュニケーションや行動で「教育改革を踏まえて今後『特に心がけたい』と思うもの」を選んでもらったのが図表9だ。1位は「『自分で選択し、それに責任をもつ』ことが大切だと言っている」(30.0%)。2位「お子さんがチャレンジできる機会を創ったり、増やしたりしている」(27.5%)、3位「ニュースや社会の動きなどについて一緒に考えたり会話している」(25.7%)、4位「『あなたはどうしたい』『あなたはどう思う』とお子さんの意見を尊重している」(24.2%)までが僅差で続いた。保護者が子どものやる改革の流れは、保護者の日常のコミュニケーションにも影響を与えるかもしれない。図表10は社会で働くにあたって必要とされる能力として、経済産業省が定義する『社会人基礎力』から12の能力要素を提示し、「将来、社会で働くにあたって必要とされる能力」「現在持っている能力」を選んでもらっ気を高めるために心がけていることのコメントを見ても、既に意識的に自立やチャレンジを促すことを心がけている回答も散見される。前項において、保護者は目の前の進路選択行動では子どもへの関与が強まっていることが分かったが、将来を意識させると子どもに自立を促す行動の必要性を認識させる結果となった。長期的視点に立てば、教育たものだ。保護者が考える「必要とされる能力」の上位3項目は「主体性」「実行力」「規律性」。高校生は「主体性」「実行力」「発信力」であった。特に「主体性」は保護者、高校生共に過半数が必要と回答している。「必要とされる能力」と「現在持っている能力」のギャップをみると、差が大きかったのは、保護者も高校生も「主体性」「実行力」「発信力」であり、共通に不足を感じていることが調査数「自分で選択し、それに責任をもつ」ことが大切だと言っているお子さんがチャレンジできる機会を創ったり、増やしたりしているニュースや社会の動きなどについて一緒に考えたり会話している「あなたはどうしたい」「あなたはどう思う」とお子さんの意見を尊重しているお子さんを褒めている保護者もチャレンジしている姿を見せるお子さんに「夢や目標を大切にしなさい」と言っているお子さんと意見が異なるとき、頭ごなしに否定しないお子さんが悩んでいたり、うまくいっていないときに励ます高校で何を学んでいるのかなど、高校での生活に関して会話している地域とのかかわりについて会話したり、行事に参加したりしているお子さんの行動に口出しや干渉をしないお子さんが失敗をしないように、保護者ができることを先回りして考えるお子さんがすることを保護者が決めたり手伝ったりする2019年全体172230.027.525.724.216.616.114.713.010.89.06.96.02.41.5※「2019年全体」降順ソート主体性を育みチャレンジを促し社会の動きを考えさせたい「主体性」「発信力」「実行力」の育成が今後の課題図表9教育改革を踏まえて、子どもとのコミュニケーションや行動で「特に心掛けていきたい」こと(全体/3項目まで選択)保護者保護者■子どものやる気やモチベーションを高めるために心がけていること●たとえ失敗しても挑戦したり、やり切ったりしたことを褒める。●まずは自分で考え、行動させる。助けを求められてから手を貸す。●失敗しても、また再チャレンジすればいいと励ましている。●相談には乗るが、最終決定は本人に決めさせる。●息子の行動や言動を否定せず、理解するよう努力している。いいと思うところを褒めるようにしている。●本人がやりたいと思ったことは、やらせるようにしている。いろいろな場所へ連れて行き、知らない世界がたくさんあることを伝えるようにしている。将来に向けて育成したい力「探究学習」をはじめ、高校現場での主体性を育む教育への変化に保護者も期待

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