カレッジマネジメント222号
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46リクルート カレッジマネジメント222 / May - Jun. 2020時代や為政者に流されない、独立した個人を作る明治大学は、1881年、岸本辰雄、宮城浩蔵、矢代操によって創立された明治法律学校が始まりです。3人は鳥取、山形、福井から藩の貢進(選抜)生として、明法寮(のちの司法省法学校)に学び、その後、岸本と宮城はフランス留学で当時のフランス自由主義に大きな影響を受けました。建学の精神は「権利自由」「独立自治」。初代校長の岸本は、1903年に明治大学へ改称した際の演説「明治大学の主義」の中で、「官僚が国を動かすために法律の知識を持つのは当然。しかし、それに流されない独立した個人を作る……」ことの重要性を強調しました。「個」の確立を通じて、社会を支える一人の市民を育てるという精神です。つまり、エリートを作るというよりは、時代に流されず、為政者に支配されない個人を作りたいというのが、明治大学の最初からの理念です。これは現在の理念「個を強くする大学」に継承されています。「個」を強くする、国際化と新学部私は、政治経済学部長に就任した2008年頃からグローバル化に取り組みました。この時の思いは、「卒業生が社会に出て、会社で責任あるポストに就く頃、明治出身者が時代を席捲してほしい。ここから20年が勝負」というものでした。5つの国際化GP採択をはじめ、この10年間の取り組みで、年間355名(2009年度)にすぎなかった留学経験者は、2019年度には2326名と6.5倍になり、留学生も874名から2320名に増えました。現在、英米の10大学とサマーセッションの協定を結んでいますが、カリフォルニア大学バークレー校(UCB)のサマーセッションと他大学に先駆けて協定を結んだことが功を奏し、現在、UC4校(バークレー、ロサンゼルス、デービス、アーバイン校)のサマーセッション派遣数では、国公立も含め日本の大学の中ではトップクラスの実績を上げています(2011〜19年度の累計参加者は200名以上)。学生の就職先も変わってきました。「就職マーケットは日本だけじゃない」と、海外の大学・大学院へ留学し、海外の企業、日本の商社や外資系企業、OECD等の国際機関に就職する学生も増えています。アカデミッだいろくの・こうさく1954年、福岡県生まれ。1977年明治大学法学部卒業。同大学院政治経済学研究科博士後期課程単位修得退学。専門は比較政治論。政治経済学部長や副学長(国際交流担当)等 数多くの要職を歴任。また、デューク大学、ノースイースタン大学、ラオス国立大学でも教鞭をとるなど、国際的にも活躍。明治大学体育会ラグビー部の部長を長年務めた。「個」を磨き、ともに持続可能な社会を創る明治大学 学長大六野 耕作
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