カレッジマネジメント223号
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13イエンス教育強化の取り組みが急速に進められるようになった。2014年の日本学術会議提言[2]ではデータ科学を専門とする教育組織の設置、基幹的研究組織における恒久的なデータ解析部門の設置が必要であることを指摘するとともに、当面の対応策として、日本版のインサイト・プログラムの早急な設置を提言している。また、これを受けて2015年の産学官懇談会報告[3]では、毎年500人規模の棟梁レベル育成及び全国50万人のリテラシーレベルや独り立ちレベルの大学教育を加速させるために、主要10大学程度で人材育成をスタートするとともにMOOC等のオンライン教材を整備し、全国への波及効果を狙うことを提言している。2017年度には文部科学省の数理・データサイエンス教育強化方針に基づき、北海道大学、東京大学、滋賀大学、京都大学、大阪大学、九州大学の6校が拠点校として採択され、各大学における全学数理・データサイエンス教育の実施に向けた取り組みを開始するとともに、数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム(以下、コンソーシアム)を形成して全国普及に向けた活動が開始された[4]。このコンソーシアムの主要な役割は全国的なモデルとなる標準カリキュラム・教材を協働して作成するとともに、他大学への普及方策を検討し実施することである。2019年度には全国全大学への普及を加速するための20の国立大学が協力校として採択され、さらに2020年度には協力校3校、特定分野協力校7校が新たに加わった。コンソーシアムはその主要なミッションである全国的モデルとなる数理・データサイエンスの標準カリキュラムや教材を作成し普及するために、カリキュラム、教材、教育用データベースに関する3分科会を設置し全国普及に向けた活動を行ってきた。2019年10月にはAI戦略2019に対応して特別委員会を設置した。この分科会は、全国的なモデルとなる標準カリキュラムを協働して作成し普及に取り組むことを目的としている。ただし、全国800近くの多様な大学に同一のカリキュラムを設定することは現実的でも妥当でもないので、当分科会では数理・データサイエンス教育のためのスキルセットと参照基準を作成し、各大学の自発的なカリキュラム開発を支援することを目指している。スキルセットとしては海外の動向等も考慮して以下のような大分類を想定している。•データの法規・倫理•データの記述・可視化•データの取得・管理・加工•統計基礎•数学基礎•計算基礎•モデリングと評価これに導入部としての「データサイエンスを学ぶ意義」を加えた8つの大分類で構成されている。各大分類ではリテラシーレベル、初級、中級、上級の4段階のスキルを設定するとともに、それぞれのスキルの学修目標を提示して、各大学の特色や事情によって選択できるようにする予定である。リクルート カレッジマネジメント223 / Jul. - Aug. 2020コンソーシアムとしての取り組み内容カリキュラム、教材、教育用データベースに関する3分科会を設置図1:モデルカリキュラム(リテラシーレベル)の構成([5]より転載)(1)カリキュラム分科会特集 AI・データサイエンス教育と大学導入1.社会におけるデータ・AI利活⽤1-1. 社会で起きている変化1-2. 社会で活⽤されているデータ1-3. データ・AIの活⽤領域1-4. データ・AI利活⽤のための技術1-5. データ・AI利活⽤の現場1-6. データ・AI利活⽤の最新動向基礎2.データリテラシー2-1. データを読む2-2. データを説明する2-3. データを扱う心得3. データ・AI利活⽤における留意事項3-1. データ・AIを扱う上での留意事項3-2. データを守る上での留意事項選択4. オプション4-1. 統計および数理基礎4-2. アルゴリズム基礎4-3.データ構造とプログラミング基礎4-4.時系列データ解析4-5.テキスト解析4-6.画像解析4-7. データハンドリング4-8.データ活⽤実践(教師あり学習)4-9.データ活⽤実践(教師なし学習)

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