カレッジマネジメント223号
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14リクルート カレッジマネジメント223 / Jul. - Aug. 2020国のAI戦略2019に対応して、数理・データサイエンス・AIのリテラシーレベルのモデルカリキュラムを策定する必要が生じたため、2019年度に産業界、公私立大学の有識者を中心に特別委員会を設置して策定にあたった。意見募集を経て2020年4月15日には「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム ~ データ思考の涵養 ~」[5]を公開した。このモデルカリキュラムは今後のデジタル社会において、数理・データサイエンス・AIを使いこなすための基礎的素養を身につけ、人間中心の適切な判断・説明・活用ができ、AI等の恩恵を享受できるようになることを目標としており、図1のように導入、基礎、心得、選択の4つのカテゴリーから構成されている。モデルカリキュラムを参考に各大学の事情に応じて、2単位程度の科目を新設したり、既存のコースに埋め込んで実装することが期待される。この分科会は全国的なモデルとなる教材を協働して作成し普及に取り組むことを目的として設置されたもので、• データサイエンス教科書シリーズの企画編纂• eラーニング教材、講義動画等の統合的配信方法の検討• 普及方法やその他の可能性の検討をミッションとしている。すでにデータサイエンスの入門教科書シリーズを企画・編集し、現在までに9冊が刊行され、近日中に全10巻が完結する予定である。これに加えてリテラシーレベルのモデルカリキュラムを発表したことに対応し、数理・データサイエンス・AIのリテラシーレベルの入門書の出版を企画中である。私立文系を含め全大学等での数理・データサイエンス・AIのリテラシー教育を普及するためには、産学官懇談会の提言でも指摘されたようにMOOC等のオンライン教材の整備が必要である。各拠点校では既に教材の作成が進んでいるので、教材分科会では教材ポータルサイトを設置して、コンソーシアム所属の大学へのリンクを張り、滋賀大学のMOOC教材等のコンテンツにアクセスできるようにしている。これに加え、リテラシーレベルモデルカリキュラムの発表に対応して、カリキュラムのキーワードに対応するオンライン教材(動画、スライド)を開発し、公開の予定である。この活動の一環として、東京大学ではスライド教材「数理・データサイエンス・AIリテラシーレベル教材」[6]を開発し、公開している。この教材は、モデルカリキュラムに完全準拠してオプションも含め全てのキーワードをカバーしていることと、教育目的に関してはCC BY-NC-SAライセンスのもとで、ページ単位で自由に利用できることが特徴である。データサイエンスの教育では現実世界の実課題と実データに触れることが重要である。本分科会はデータサイエンス教育用のデータを収集し、各大学が使用できる環境を整備することを目的として設置されており、•教育用各種データの収集・公開に関する検討•既存の公開データベース情報に関する検討•オープンソース等の情報に関する検討をミッションとしている。既にアカデミック及び官庁データのうちカリキュラムとの関係も考慮しつつ、データサイエンス教育に適当と考えられる27のデータを選定している。また教育用データ提供システム(データ提供ポータル)の仕様について検討し、主査大学の北海道大学において実装し、試験運用してレビューに基づく改善を実施している。さらにモデルカリキュラムの公開に対応して、産業界の協力を得てビジネス系の実課題と実データ収集・整備を進めている。●6ブロックにおける活動コンソーシアムでは2019年度の協力校の参加を機に全国展開を加速するために全国を6ブロックに分けて、それぞれ地域に対応した普及活動を開始している(図2)。各ブロックでは、1)ブロック会議を開催して、数理・データサイエンス教育の実施状況を把握するとともに、他大学への展開計画・状況を共有する2)ブロック別ワークショップを開催して、数理・データサイエンス教育の普及を目指し、数理・データサイエンス教育に関するFD(Faculty Development)活動や具体的(2)モデルカリキュラム(リテラシーレベル)の  全国展開に関する特別委員会(3)教材分科会(4)教育用データベース分科会

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