カレッジマネジメント223号
2/66

技術革新により、産業構造や働き方が劇的に変化することが予想されます。本連載では、領域×Technology=「X Tech(クロス・テック)」に着目し、産業の大きな変化の兆しを捉えていきます。取材協力福島 健一郎氏 一般社団法人シビックテックジャパン 代表理事伴野智樹氏 一般社団法人シビックテックジャパン 理事#08 CivicTech(市民とテクノロジー)COVID-19を機に、地域社会の課題解決に向け、若い世代も積極参加で変わる産業新型コロナウイルス感染症の拡大により、地域の活性化や社会の課題に対し、テクノロジーを活用して解決するCivicTech(シビックテック)の活動が注目されている。例えば、市民が中心となって行政と力を合わせ課題解決に取り組んだ、東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」や神戸市の地域課題解決プロジェクト「Urban Innovation KOBE」、身近な地域でのテイクアウトマップが挙げられる。シビックテックは公共・民間サービス・個人との関わり方によって、5つの領域に区分される。近年では、教育や公共交通、少子高齢化による人口減少等の課題に対し、地域の住民たちが積極的に取り組んでいる。「社会の課題を意識した資金拠出等、ESG投資を行う企業の奉仕活動も増えてきました。また、実証実験を行うために、行政と民間が共同で資金提供者を探し、ローカルな社会課題を解決する『ソーシャル・インパクト・ボンド』の仕組みも広がっています」(伴野氏)シビックテックジャパンが主催する「CIVIC TECH FORUM ONLINE 2020」では、16歳の高校生や大学生も積極的に参加。Webサイトを作るために自治体と交渉し、運用しやすいフォーマットや体制を提案するなど、大人顔負けのパフォーマンスを示していたという。地域社会の課題を技術で解決するには、エンジニアリングスキルは欠かせない。だが、そのアイデアを形にするには、さらに必要なスキルがあると福島氏は語る。「10年20年先を見据えた社会の課題を解決し、イノベーションを生み出すためには、若い世代のITリテラシーが必要です。さらに大事なのは、その技術がどのように人々の生活を進化させるのかを企画側と開発側が共感しながら対話できるスキルです。そのためには、スマートフォンやSNSが浸透する前と後では人々の生活にどんな進化があったのかなど、これまで社会を進化させ、便利にしてきた歴史を学ぶことが役立つでしょう」(福島氏)対話や共感力を通じて、サービスや課題に適したエンジニアリングを当てはめていく。こうしたスキル・知識は、シビックテック以外でも役立つに違いない。(文・馬場美由紀)手法概要行政業務の効率化クラウドサービスやソフトウエアを導入することで業務効率化を図る透明性の向上データ公開やインフォグラフィックを活用した透明性の向上データ経営データに基づいた自治体経営市民向けサービステクノロジーを活用した、課題解決や便利を提供するサービスエコシステム形成市民向けサービスを継続的に生み出すエコシステムを形成手法概要サービス開発課題解決や便利を提供するサービスの開発と提供エコシステム形成市民向けサービスを継続的に生み出すエコシステム形成手法概要スマートシティインフラの整備通信、センサー、クラウドなどのインフラを整えるアプリケーション開発スマートシティインフラを活用したアプリケーションの開発手法概要実証実験新しいテクノロジーを活用した市民向けサービスの実証実験手法概要サービス開発課題解決や便利を提供するサービスの開発と提供コミュニティ活動多様なステークホルダーを巻き込むコミュニティ活動やテクノロジー教育④実証実験・特区領域 (公共、民間にまたがる)③民間サービス領域※伴野氏が定義する「シビックテック5つの領域」をもとに編集部が作成①公共サービス領域シビックテックが活躍する代表的な5つの領域②個人向けサービス領域⑤スマートシティ領域 (公共、民間、個人にまたがる)

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る