カレッジマネジメント223号
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27コミュニティーの仲間、あるいはTA(ティーチング・アシスタント)と一緒に考えることを通じて主体的な学びを会得してもらいます。その意味で、教員はディスカスタントとして参加するだけで、いい先生になろうとはしません」。上林学部長はこのように述べた後で、次のように続けた。「学生には、トライアル・アンド・エラーを通じて自ら学ぶという機会をたくさん与えたいのです」。まさに挑戦だと言えるが、今のところ狙い通りの教育ができていると言う。最初の1カ月間こそ「教員は講義をしない」「親切に教えてくれない」というクレームも寄せられたものの、学生達はすぐに新しい学びに夢中になった。学修のコミュニティーは確実に育っている。そしてその成長を支える要件として、次の2つがうかがえた。第一に、データサイエンス学部の教育では、実践学修コミュニティーを構築するためにビジネス向けコラボレーションツールSlack(スラック)が活用されている。学生同士のコミュニケーションもSlackででき、グループワークの段取りもSlackで行う。教員に対する質問も、随時Slackでできるようにしてある。授業時間内だけではない。学生も教員も24時間体制で学修に臨んでおり、このことが密度の濃い対話を通じた学びを可能にしている。第二は、学生達のキャラクターである。2019年度に誕生したばかりのこの学部に入学した学生達からは、「先輩がいないからこそ、白地に新しいスケッチができる」と意気込む声がよく聞かれたという。不安よりも期待を重視する。第一期生ならではのことなのかもしれないが、この第一期生のカラーが後輩達に与える影響は大きいはずだ。こうしたデータサイエンス学部の挑戦の象徴とも言えるのが、「未来創造プロジェクト」である。未来創造プロジェクトでは、卒研と同じプロジェクト型学習を基軸に、企業との共同研究や国際共同研究、大学で身につけたスキルや知識をどのように実社会の課題に活用できるかを実践的に学ぶ。1年生後期から毎期ごとに履修できる少人数のゼミ形式の科目だ。上林学部長は、この未来創造プロジェクトの最大の特徴リクルート カレッジマネジメント223 / Jul. - Aug. 2020「おいしいものを先に食べる」未来創造プロジェクト1年2年3年4年データサイエンス学複合領域情報学環境学経済学社会連携特集 AI・データサイエンス教育と大学データサイエンス学データサイエンスプログラミング演習Ⅰ・Ⅱ機械学習と深層学習人類と人工知能(AI)人工知能(AI)テクノロジ人工知能(AI)社会の情報倫理人工知能(AI)ゲームクリエーションロボティクス・IoTサイバーセキュリティー等画像・音声認識システム等※専門コース演習Ⅰ・Ⅱデータマイニング複合現実機械学習等データと数理社会連携活動概論データサイエンス社会実践学習(短期・中期・長期・海外)webテクノロジ等グリーンエコノミー基礎社会・環境・ビジネスデザインフィールドワーク等データと経済統計データと計量経済学情報経済特論機械学習デザイン演習Ⅰ・Ⅱ人工知能(AI)デザイン演習Ⅰ・Ⅱマルチメディア知識ベースデータベースデザイン等メディアクリエーション・データデザイン演習ソーシャルイノベーションの起こし方マーケティングデータ分析※専門コース演習Ⅲマーケティングオートメーションビジネスモデル創出等未来創造PJⅠ・Ⅱ・Ⅲデータサイエンス特論未来創造PJⅣ卒業論文創成課程グローバルビジネスガバナンス卒業論文Ⅰ・Ⅱ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★必修科目専門共通科目プロジェクト科目専門コース科目社会連携型教育図表1 データサイエンティストカリキュラム全体図※専門コース演習Ⅰは人工知能(AI)クリエーション、Ⅱは人工知能(AI)アルゴリズムデザイン、Ⅲはソーシャルイノベーション

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