カレッジマネジメント223号
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31リクルート カレッジマネジメント223 / Jul. - Aug. 2020専門職大学等制度は2017年5月24日の学校教育法の改正により誕生しました。設置背景の起点には「社会で求められている動的なニーズに日本の大学制度が必ずしも応えられていない」という課題意識があります。社会から見れば、社会に出る前段階にある高等教育機関に社会への準備教育をきちんとしてほしいという要望は常にある。こうした背景を受け、特に社会との接続を重視して理論と実践のハイブリッドで学ぶのが専門職大学ということになります。社会が予測不可能な色彩を強く帯びる中、そうした社会でも活躍できるスキル・コンピテンシーや従来なかった学問領域がより強く求められる。それは既存の大学制度からは出てきにくい側面がある。そうした意味で、専門職大学等にはこれからの社会に本当に必要な人材を育てるという教育への期待が常につきまとうのです。専門職大学等制度の申請現場から見た主なポイントは5つです。制度初回は17校の申請に対してストレート認可は1校のみ、追加認可2校を合わせて最終認可率が17.6%でした。通常の学部学科設置認可率が8割前後であることを踏まえると非常に低い水準です。分科会長意見では「多くの案件について、法人として大学設置に取り組む体制が不十分」との指摘もありました。これの意味するところは、基本的には大学設置基準を踏まえて専門職大学の要件を満たす必要があるということです。専門職大学という名称から、「専門的な教育が何よりも軸になる高等教育機関」「専門学校の四大化のための制度」と思われがちですが、設置基準等の法令上のことから言えば、「専門職大学である前に大学であれ」という方針は明確です。まずは「大学を設立する」と考え、申請するためのスケジュールから遡って検討体制を十分確保すること。基本的なことですが、こうした時間的・物理的な準備不足が実は一番多いのです。 専門職の養成の場合、現場20年の叩き上げといった現場キャリアの長い方を教員とすることもありえますが、専門職大学では、アカデミックキャリアがない方だとシビア体制とスケジュール:専門職大学である以前に大学であることが求められる審査ポイント①制度独自の教員体制:「実務の経験等を有する専任教員」4割をいかに確保するかポイント②新しい教育を期待される専門職大学等制度申請現場で見る認可申請のポイント2001年より全国の高等教育機関等の大学・学部学科・大学院等の新増設・改組転換等に係る設置認可申請・届出等の申請・構想に関するコンサルティングを幅広く手がけ、学校法人の永続的経営と大学の学部学科等の教育研究組織の最適化や教育研究活動の水準向上を支援している。加藤雄次 株式会社大学経営コンサルティング第83条 大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。第83条の2 前条の大学のうち、深く専門の学芸を教授研究し、専門性が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を展開させることを目的とするものは、専門職大学とする。学校教育法での定義COLUMN専門職大学等制度設置基準と社会ニーズに合致した新しい教育の拠点をINTERVIEW
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