カレッジマネジメント223号
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40内の犬猫飼育数は1857.5万頭。なお、総務省によると日本の15歳未満の子どもの数は同年1533万人。人の子どもよりも犬猫が多い日本社会で、ペットは家族として大きな存在感を持ち、関連ビジネスは多様化している。その一方、高齢化が進むペットのトータルケアができる動物看護師の必要性から、2019年6月21日に「愛玩動物看護師法」が成立した。これまで民間認定資格しか存在しなかった動物看護師は「愛玩動物看護師」という国家資格となり、獣医師の診療の補助(採血、投薬、マイクロチップ挿入等)や診断を伴わない検査等を実施できるようになる。職域が広がると同時に専門家として社会的地位が向上すると期待される。専門職短大でも当然国家資格取得はカリキュラムの大きな柱である。専門家としての厚みを担保する展開科目では、ジェロントロジー(老年学)、死生学といった「いのち」に焦点を当てその理解を深める科目や、災害・危機管理論、少子高齢社会と人口問題といった特徴的な科目が並ぶ。「理論に精通した研究者と現場経験豊富な実務家の両方に学ぶ」ことを軸に、展開科目で付加価値を幅広く付与するのがカリキュラムの軸である(図表)。専門職短大の特色である臨地実務実習は、1年次に併設の動物病院とグルーミングサロンで実施。2年次夏は学外2カ所の動物病院、2年次春は2カ所の動物関連企業、3年次夏は学生の希望する就職先を見据え、3カ所の動物病院か、3カ所の民間企業等のいずれかを選択し実習を行う。「幅のある実習経験ができるのは専門職短大ならではです」と花田学科長は言う。 開学後の状況について花田道子学科長に聞くと、「看護にとって最も大切な感覚を持っている学生が多い」と笑顔を見せる。相手の気持ちに配慮した適切なコミュニケーション、動物に寄り添う姿勢、明るく人の目を見て話せること等がそリクルート カレッジマネジメント223 / Jul. - Aug. 2020ヤマザキ動物看護専門職短期大学(以下、専門職短大)の母体であるヤマザキ学園は創立50年以上の歴史を持つ学校法人である。創立以来、コンパニオンアニマルを中心とした動物看護やグルーミング等、動物のスペシャリストを育成する教育で多くの人材を社会に輩出してきた。「生命への畏敬」「職業人としての自立」を建学の精神に掲げ、「生命(いのち)を生きる」という教育理念のもと、1994年には専門学校、2004年に短期大学、2010年には短大の発展的改組として4年制大学を、2019年には専門職短大を開学した。その設置趣旨と開学後の状況について、山﨑 薫理事長、花田道子学科長、吉田 充入試広報部長にお話をうかがった。まず、専門職短大開学の目的について、山﨑理事長は「産業界を担う人材を育て、動物看護師の職域を広げるため」と言う。ヤマザキ学園において大学は動物看護の教育・研究を行い、修士・博士も含めた動物看護学の科学的体系作りを目指す。専門学校は現場即戦力となる人材の育成を担う。専門職短大は理論と実践両方に軸足を置くハイブリッド型で、産業界のニーズを捉え、業界で活躍できるリーダーとしての人材を養成する。現在1兆6000億円規模と言われる動物関連産業において、4000億円は動物病院、1兆2000億円はそれ以外の関連産業だ。専門職短大開設には従来の病院勤務の動物看護師だけでなく、産業全体を牽引する人材の輩出を期待する産業界や自治体からの強い要望がある。人と動物が共生する社会を支える、看護だけでないアプローチを広く模索するのが、学園における専門職短大の役割である。一般社団法人ペットフード協会によると、2019年時点の国理論と実践のハイブリッドで産業界を担う動物看護人材を育成する愛玩動物看護師の国家資格化による職域拡大動物看護の適性をアッドミッション・ポリシーで提示するヤマザキ動物看護専門職短期大学設置年度2019人と動物の共生を支える人材を育成する多彩な教育展開

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