カレッジマネジメント223号
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7この「AI戦略2019」が掲げる戦略目標の中で最初に位置するのが「人材」である。『現在、私達の社会は、デジタル・トランスフォーメーションにより大転換が進んでいる。その変革の大きなきっかけの1つとなっているのが、AIであり、AIを作り、活かし、新たな社会(「多様性を内包した持続可能な社会」)の在り方や、新しい社会にふさわしい製品・サービスをデザインし、そして、新たな価値を生み出すことができる、そのような人材がますます求められている。ビッグデータの収集・蓄積・分析の能力とも相まって、今後の社会や産業の活力を決定づける最大の要因の一つであるといっても過言ではない。(中略)とりわけ、「数理・データサイエンス・AI」に関する知識・技能と、人文社会芸術系の教養をもとに、新しい社会の在り方や製品・サービスをデザインする能力が重要であり、これまでの教育方法の抜本的な改善と、STEAM教育等の新たな手法の導入・強化、さらには、実社会の課題解決的な学習を教科横断的に行うことが不可欠となる』と、その必要性・重要性を述べている。これを踏まえて、教育改革の大目標として、「数理・データサイエンス・AI」をデジタル社会の基礎知識(いわゆる「読み・書き・そろばん」的な素養)と捉え、その知識・技能等必要な力を全ての国民が育み、社会のあらゆる分野でそのような人材が活躍することを掲げている。高等教育段階(大学・高専)の具体的な目標、取り組みとしては、(リテラシー教育)〇文理を問わず、全ての大学・高専生(約50万人卒/年)が、課程にて初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得・大学・高専における、初級レベルの標準カリキュラム・教材の開発と全国展開(2019年度)【文部科学省・経済産業省】・全ての大学・高専の学生が、初級レベルの認定コースの履修ができる環境を確保(MOOCや放送大学の活用拡充等を含む)(2022年度)【CSTI・文部科学省・経済産業省】(応用基礎教育)〇文理を問わず、一定規模の大学・高専生(約25万人卒/年)が、自らの専門分野への数理・データサイエンス・リクルート カレッジマネジメント223 / Jul. - Aug. 2020図1 AI戦略2019 概要▶「人間尊重」、「多様性」 、「持続可能」の3つの理念を掲げ、Society 5.0を実現し、SDGsに貢献▶3つの理念を実装する、4つの戦略目標(人材、産業競争力、技術体系、国際)を設定▶目標の達成に向けて、「未来への基盤作り」、「産業・社会の基盤作り」、「倫理」に関する取組を特定デジタル・ガバメント中小・新興企業支援データ関連基盤教育改革AI社会原則研究開発社会実装産業・社会の基盤作り倫理未来への基盤作り具体目標・取組戦略目標Ⅰ:人材人口比において最もAI時代に対応した人材を育成・吸引する国となり、持続的に実現する仕組みを構築戦略目標Ⅱ:産業競争力実世界産業においてAI化を促進し、世界のトップランナーの地位を確保戦略目標Ⅲ:技術体系理念を実現するための一連の技術体系を確立し、運用するための仕組みを実現戦略目標Ⅳ:国際国際的AI研究・教育・社会基盤ネットワークの構築     理念(実現する社会)●人間の尊厳の尊重(Dignity)●多様な人々が多様な幸せを追求(Diversity & Inclusion)●持続可能(Sustainability)特集 AI・データサイエンス教育と大学

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