カレッジマネジメント224号
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73リクルート カレッジマネジメント224 / Sep. - Oct. 2020留学系への影響が懸念される。今回の調査から見えてきたものは、私立大学の定員厳格化、大学入試改革、新型コロナウイルス感染拡大という3つの大きな状況の変化によって、今年の受験生が「とにかく不安」であるということである。一度収まったかに見えた、新型コロナウイルスへの感染は、夏になっても収まらず、高校現場での不安は高まるばかりである。受験生から寄せられたコメントを見ていると、「不安」から「怒り」、そして一部で「あきらめ」といった内容に変わってきており、Twitter上では一時期【#高3生の悲痛】がバズるといった状態であった。そうした受験生(保護者、高校教員)の不安を解消するために、いかに丁寧なコミュニケーション戦略を構築できるかが、例年にも増して大きな課題となる。全体としての発信者目線ではなく、受験生目線でのコミュニケーション、“私が“この大学に進学してどうなれるのか、入学するための準備はどうすればよいのか、受験方法はどうなるのか、そうした受験生個人レベルでの「双方向コミュニケーション」を意識する必要があるだろう。私は個人的に大学のブランド構築には、10年程度かかると考えている。コロナ禍は、これからの高校生・保護者・高校教員とのコミュニケーションのあり方を、根本的に変えてしまうことになるだろう。単に今年の募集戦略にとどまることなく、将来に向けたコミュニケーション戦略の再考が求められる。特集 進学ブランド力調査 2020

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