カレッジマネジメント224号
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74リクルート カレッジマネジメント224 / Sep. - Oct. 2020本学は1923年、教育者・児玉九十が、東京都府中市に明星実務学校を設立したのが始まりです。この学校が幼稚園、小中高校を擁する「学校法人明星学苑」へと発展し、1964年、明星大学の開学に至りました。日本が高度成長化しようとする時代、本学は理工学部からスタートし、人文・社会系学部や融合型学部を増設しながら、9学部12学科・大学院が東京都日野市のキャンパスに集結する、学生数8000名超の総合大学へと成長してきました。他大学にまれなワンキャンパス総合大学という利点を、今後さらに活かしていくつもりです。建学の精神は「和の精神のもと、世界に貢献する人を育成する」です。「和の精神」とは知情意を統一し、精神と肉体を調和させることを意味します。「世界に貢献する人」とは、自分を世界のなかに正しく位置づけ、どのような場に身を置こうとも、現代世界の一員としてその調和的発展に自らを役立てる人間であれ、ということです。21世紀社会を生きていく学生の指針たるにふさわしい建学の精神ではないでしょうか。本学は、「実践躬行」の精神を教育方針として特に重視しています。これは、児玉九十が敬愛した二宮尊徳の思想を汲んだ「思索と体験の一致」、つまり机に向かっての勉学と現場での学びの往復が大切であるという意味です。教育改革と独自授業「自立と体験」時代の要請に応え、本学が学部・学科改組に着手したのは2010年でした。同年に教育学部、2012年に経営学部、2014年にデザイン学部、2017年に心理学部、2020年に建築学部を設置しました。先端的な教育で勝負する大学であることを表す「教育の明星大学」というスローガンのもと、「実践躬行の体験教育」の具現化の一環として、2010年に教育プログラム「自立と体験」をスタートさせました。学部・学科の枠を超えた全学横断型の初年次必修科目「自立と体験1」では、2000名以上の新入生が30名ずつ約70クラスに分かれてアクティブラーニングを行います。全学部から集まる約55名の専任教員が同じ教案を用い、所おちあい・かずやす1951年生まれ1983年ニューヨーク州立大学大学院人類学科博士課程修了、Ph.D.1997年一橋大学大学院社会学研究科教授2008年一橋大学大学院社会学研究科長、一橋大学社会学部長2010年一橋大学理事(教育・学生担当)、同副学長2015年明星大学明星教育センター常勤教授2018年明星大学副学長(教育改革担当)2020年明星大学学長「実践躬行の体験教育」で“教育の明星大学”を目指す明星大学 学長落合 一泰

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