カレッジマネジメント224号
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77リクルート カレッジマネジメント224 / Sep. - Oct. 2020COC+事業は、2014年度採択のCOCに続き、2015年度「オール青森で取り組む『地域創生人財』育成・定着事業」として採択された。「青森県最大の課題である人口減少の克服に関しては、一大学だけで取り組めるものではありません。県内の大学、高専、自治体、企業による『オール青森』ネットワークを形成し、青森の将来を担う人材の育成と県内就職率の向上に取り組みました」(福田学長)。人材の育成という点では、地元企業・地域共育型インターンシップ、女子学生のキャリア支援プログラム、学生発起業実行プログラムが開発され、実行された。県内就職率の向上に向けては、県内を青森、弘前、八戸、むつの4ブロックに分けて取り組み、県内企業説明会の開催、中長期の共育型インターンシップの実施、コメディカルの学生対象のホスピタルカフェ(病院と学生との交流会)の実施等が行われた。を、2016年度に行っている。取り組み2は、「食に関する地域イノベーション創出に貢献できる人材の育成」で、アグリ分野に当たる農学生命科学部の体制整備が中心になっている。「食」「国際化」というキーワードで、理工学部と同じ2016年度に、生物資源学科を食料資源学科に、園芸農学科を国際園芸農学科に改組した。国際園芸農学科に他学科生も履修できる新科目「海外研修入門」を開講する等、農学生命科学部全体で国際分野を充実させた。取り組み3は、「国際競争力のある青森ブランド食産業の創出に向けた“青森型地方創生サイクル”の確立」。「『食』は青森県の大きな強みですが、青森ブランドの食を戦略的に国内及び海外に届けるには、生産から加工、流通までを通じて様々な課題もあります。そこに各学部・研究科等弘前大学の『知』を結集して、Farm-to-Tableの流れを作り、青森地域創生サイクルとして構築していくのがこの取りさらに県内企業の採用力の向上を目指すワークショップ「採用力向上セミナー」も実施した。戦略1「アグリ・ライフ・グリーン分野における地域の特性・資源を活かしたイノベーション創出・人材育成」は、総合大学ならではの理系、人文社会系の知を結集した「オール弘前大学」での取り組みだ。アグリ=食、ライフ=健康、グリーン=再生可能エネルギーの3分野を活かして、地域活性化に向けたイノベーションの創出と人材育成を目指すもので、3つの取り組みを展開している。取り組み1「地域の特性・資源の活用に向けた理工系人材の育成」は理工学部の体制整備が中心で、グリーン分野の中心となる自然エネルギー学科、ライフ分野を担う機械科学科医用システムコースの新設等の改組「戦略1」弘前大学は北東北地域の総合大学の一つとして、「地域活性化の中核的拠点」の役割を追求していくことを基本とし、第3期中期目標期間(2016-2021)においては、再生可能エネルギー、環境、被ばく医療、食の4テーマを本学の重点分野に位置づけ、地域資源を活かした教育研究を推進し、働く「場」の不足、労働力人口の減少、平均寿命が全国最下位等の喫緊の地域課題の解決に向けた「イノベーション創出」と「地域創生人財」の育成を目指す。弘前大学の将来ビジョン弘前大学は4つの「戦略」を展開アグリ・ライフ・グリーン分野における地域の特性・資源を活かしたイノベーション創出・人材育成「戦略2」こころ・からだの健康増進に向けた社会医学的観点からの総合的な健康づくり教育研究拠点の形成「戦略3」被ばく医療における安心・安全を確保するための国際的な放射線科学教育研究の推進「戦略4」地域志向教育を核とした「地域創生人財」を育成する教育システムの構築青森県の短命打開のため、弘前大学は青森県・弘前市等と連携し、2005年から継続的に、弘前市岩木地区住民の健康情報を取得。2013年には国のCOIプロジェクトに採択され、健康情報「超多項目ビッグデータ」を活用した予測法・予防法開発やビジネス化を推進。「戦略2」COIセンター・オブ・イノベーション取組概要「戦略4」COC及びCOC+取組概要COCの取り組み(地域志向人財の育成)COC+の取り組み創造力「志」・意欲実行力・仲間力○地域志向教育の拡充(200科目開講、5科目以上履修)○創造力・仲間力を試すPBL○キャリア教育とインターンシップのデュアル・システムアグリ・ライフ・グリーン分野の人材育成
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