カレッジマネジメント224号
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89リクルート カレッジマネジメント224 / Sep. - Oct. 2020点とした。そして、10号館の1階は、吹き抜けを多用したオープンスペースとし、一般の利用も可能なカフェ「SENDAI-Kaee」を設置し、学生たちの居場所づくりに努めた。3階には、様々なイベントにも利用可能な「黒門ホール」を設けた。コロナ禍が落ち着けば、こけら落としとして、江戸落語を聞く「黒門ホール寄席」の開催を予定しており一般にも公開する。7階には学生ラウンジ(食堂)を配置したほか、13階・14階の二層には、図書館「Knowledge Base」がある。この図書館の特徴は、図書を可能な限りデジタルベースで配架することで、10号館全体に図書館機能が備わるようにデザインしたことである。15階は、「グローバルフロア」と呼ばれ、少人数教室のほか、海外留学に関する相談窓口や異文化サロンの機能も有する「グローバルコモンズ」が展開される。最上階には、遠望も良い卒業生向けの「鳳サロン」とイベントホール「相馬永胤記念ホール」がある。今後、10号館から発せられる知や文化の発信が、神田神保町での新たな学生街形成に寄与することを願う。文/佐々木重人(専修大学長)う街との共存を図り、その発展に資するための拠点とする。これを「神田神保町カルチェラタン」の創造と位置づける。なぜなら、神田神保町には世界に冠たる古書店街があり、語らうためのカフェをはじめ、学生向けの飲食店、大小の楽器店やスポーツ関連ショップが集積するなど、学生街として発展してきた側面があるからである。10号館に係る「神田神保町カルチェラタン」のキーワードは、森、水、そしてカフェである。校舎の傍らを流れる日本橋川を渡ってキャンパスに入る前庭には、樹木に囲まれたプロムナードを設置した。その中にシンボルツリーとなる桜を植樹し、神田神保町界隈での桜の起靖国通りに面した10号館は、九段下駅より徒歩1分、神保町駅より徒歩3分とアクセスも抜群。開放的な空間が広がる「グローバルフロア」。国際交流や留学に関する情報交換も可能な異文化サロンを展開。日本武道館や東京スカイツリーを一望できる「鳳サロン」。装飾は和を意識したモダンな造りとなっている。創立者の一人の名を冠した最上階の「相馬永胤記念ホール」は、レセプションや企画展示など多様に使用できる。二層構造の新図書館「Knowledge Base」。13階は情報検索やグループ学習、14階は静ひつな個別学習エリア。
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