カレッジマネジメント225号
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34リクルート カレッジマネジメント225 / Nov. - Dec. 2020中村学園大学(以下、ナカムラ)は福岡市に立地し、栄養科学部・教育学部・流通科学部の3学部と、短期大学部に食物栄養学科・キャリア開発学科・幼児保育学科を展開する私立大学だ。「栄養のナカムラ」「就職のナカムラ」等、地元を中心に一定のブランド力を有する大学だが、コロナ禍をどのような工夫で乗り切っているのか。入試広報部部長の塚田昭人氏にお話を伺った。まず、コロナ前からの学生募集の状況を確認しておきたい。福岡県は九州のなかでも大学進学者の地元残留率が65.9%と高く(2019年学校基本調査より)、他県からの流入も多いため、「募集基盤となる環境は比較的恵まれています」と塚田氏は言う。ナカムラは学部構成的に、地元の大学で免許資格を取得して地元で就職したい学生が多く、7割は福岡県出身だ。募集圏は福岡県を中心とした九州に山口県を加えたエリアとなっている。外出自粛で訪問活動ができなくなり、まず実施したのは、進路指導において入試情報が不足しているという高校の声に応え、入試概要の冊子を高校に送り、入試説明動画を制作してYouTubeにアップするという情報提供だった。高校からのニーズはもちろん、背景には短大の募集課題もあった。ここ20年で短大は志願者が半減し、人口動態や進学率の動向からすると今後も回復する見込みは低い。「本学短大の入学生は学校推薦が7割を占めており、高2の3学期と高3の1学期が重要な時期です。ところが今年はそこにコロナが直撃してしまった。今年は短大で総合型選抜を初めて導入したのですが、そのアピールもままならず、募集広報基盤を早期にオンラインに移行する必要がありました」(塚田氏)。高校生の進路選択の重要な時期の母集団形成を目的として生まれた一手が、オンラインのライブOC「Web de オーキャン!」である。初回実施は6月7日。そこから毎週末に実施する形で、お盆までに計8回のOCを実施した。視聴者に参加しているとの印象を与えたいため、できる限りライブで双方向型のイベントとし、オンラインだと画面の中の情報量がリアルに比べるとはるかに少なくなるため、それを補うために複数回実施することに拘った(図:OC参加状況)。注目すべきはそのPDCAの速さである。各回のアクセス数から視聴率の高いコンテンツの特徴を分析しつつ、やってみて出てくる「説明が長い」「もっと学生生活に触れた内容を」といった視聴者目線から捉えた反省点を次の開催に活かすため、毎日部内の会議で共有し、議論し、早期に修正を加える。「毎回同じものではリピーターも飽きてしまうので、そうした点も工夫しています」と塚田氏は言う。総合大学に真似されない差別化をオンラインでどのように発揮できるか。最初は職員主導で設計していたが、回を重ねるにつれて学生スタッフからの提案も増え、より受験生目線のOCへと改善を重ね、後半では職員と学生のMCを配置し、よりライブ感を活かしたナカムラらしいOCを作り上げていった。定量・定性の両面から迅速な検証を重ねていったわけだが、これだけの回数を高速でPDCAを回しながら実施できたのは、「自前主義」に秘訣があるという。「自分達で中村学園大学4CASE塚田昭人氏自前主義と高速PDCAにより毎週のWeb OC開催を実現進路選択時期に入試を中心とした情報を確実に届ける受験生インサイトに沿った手作りOCを高速PDCAにより頻度高く実現毎週開催  受験生インサイト

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