カレッジマネジメント225号
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36リクルート カレッジマネジメント225 / Nov. - Dec. 2020小林 コロナウイルスの蔓延が新卒採用や就職支援の現場にどのように影響していったのか、改めて振り返りたいのですが。谷出 1月末にWHOから緊急事態宣言が出されましたが、当時は採用活動においてコロナはまだ身近な問題ではありませんでした。変化のきっかけは、リクルートキャリアの合同企業説明会の中止が発表された2月20日。その後、大企業の冬のワンデイ・インターンシップがストップし、3月以降の会社説明会や大学の学内合説等が徐々になくなっていきました。同時に大学のキャリアセンターからも「学内の企業説明会をするのか」「企業が今何を考えているのか教えてほしい」という問い合わせが増えました。佐藤 20卒学生の入社受け入れと21卒学生の採用活動がどうなるのか、先が読めず各企業も頭を悩ませていたと思います。谷出 内定者研修に呼んでいいのかどうか、入社式ができるのか、入社式後の新人受け入れ研修をどうするかと次々と問題が出てきましたが、企業の現場も情報を持ち合わせていないので、問い合わせや相談が相つぎました。21卒の採用活動が3月1日から本格的に始まりましたが、採用と新入社員の受け入れ対応を分けていない会社では、20卒の内定者のサポートや受け入れ対応への優先順位が高いので、採用活動が先送りされ21卒の会社説明会の延期にもつながりましたね。小林 20年春に入社した方の働き方や研修はそれぞれどう対応したのでしょうか。谷出 毎日出社させる会社もあれば、テレワークを実施している企業では、週に2~3日程度オフィスに出社させ向き合って教えられる教育を重点的にやりつつ、家ではテレワークで個人作業に取り組ませるといった形でしたね。研修はほぼオンラインでした。私も新人研修に関わっていますが、一堂に集合して実施する研修はほぼなかったです。もし集めて研修をしたら、入社した新人から、「この会社、社員の罹患へのリスク対策は大丈夫か」と言われる可能性もありますからね。20卒新入社員の受け入れや研修で21卒採用は後手に回るPart3採用市場と大学の就職・キャリア支援大学において、募集戦略同様にWithコロナへの対応を迫られているのが「学生の就職」であろう。コロナ禍が蔓延する中で今年卒業・入社を迎えた2020年卒の学生、そして先の見えないコロナ禍が蔓延する最中に就職活動をしてきた2021年卒の新卒採用市場にどのような影響があったのか。そして2022年卒以降の学生の就職環境はどう変わるのか。採用コンサルタントとして企業の採用支援や学生への就職に関わる情報発信を行う谷出正直氏と、リクルートワークス研究所『Works』編集長の佐藤邦彦氏に、出口におけるコロナ影響の「今とこれから」を小誌編集長が聞いた。コロナウイルス感染拡大と21卒採用の動き座談会/Withコロナの大卒採用マーケットはどうなるか「学生が、どんな力をどのぐらい身につけたのか」を明確に問う採用に変わる

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