カレッジマネジメント225号
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4リクルート カレッジマネジメント225 / Nov. - Dec. 2020コロナ禍と2020年の進路選択特集2020年の年初、このような状況になろうとは、誰が予測していたであろう。大学は、コロナ禍によって、ほとんどの活動において制約を受けることになった。一方、コロナ禍において、最も進んだのがデジタル化である。これまで、遅れていると言われていた教育機関においても、2020年は言わば「強制的なデジタル体験」を強いられた年であった。高校・大学においては、生徒や学生の学びや活動を止めないために、あらゆる面でのデジタル化が進められた。授業等学びの現場におけるオンライン対応は色々と報道されている。では、この「強制的なデジタル体験」によって、高校⇒大学⇒社会へとつながる進路選択の現場はどのように対応し、今後に向けてどのような示唆(経験価値)が得られたのか。今年起こったデジタル化の動きは、不可逆的なものであり、もう元に戻ることはないだろう。今回の特集では11月という今だからこそ、今年の経験から次年度に向けた動きを考えたい。まず、高校生の進路選択行動を見ると、近年オープンキャンパスへの参加率は9割に達し、進学先選びの重要な機会であった。しかし、今年はリアルのオープンキャンパスが実施できず、WEB上での開催となった。リクルート進学総研の調査では、WEBオープンキャンパスの認知率は4月段階では28.6%だったが、7月には88.0%と3倍近くにアップし、今やWEBオープンキャンパスは市民権を得たと言えるだろう。その一方、現2年生の7月時点でのWEBオープンキャンパスの参加率は17.1%と、昨年までの7割の参加率と比較して大幅に減少。オープンキャンパスに参加しないことで、既に知っている大学の中から、自分の目で見ずに進学先を選ぶことが想定される。だからこその、WEBオープンキャンパスである。WEBオープンキャンパスは、自宅でYouTubeを見るように気軽に参加できる。しかし、高校生が重視する「学校の雰囲気」については、十分に伝わっていないようである。WEBオープンキャンパスにおいては、“私の志向にコロナ禍で生徒・学生の視野は狭くなる早期のWEB体験で相互理解を高め、ミスマッチの防止を防ぐ小林 浩リクルート進学総研 所長リクルート『カレッジマネジメント』編集長編集長の視点

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