カレッジマネジメント225号
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5リクルート カレッジマネジメント225 / Nov. - Dec. 2020合った”魅力あるコンテンツ作りが、今後の課題となるであろう。また、高校の現場からは、このコロナ禍で変化に対応できる大学か否かが明確になったのではないかとの声が上がっている。コロナ禍を機にスピードを持って学生のために改革を推進するのか、あるいはできない理由を掲げて改革を実施しないのか、その姿勢が高校にも伝わっているのだ。オンライン化が進んだからこそ、改めて大学の提供価値を明らかにし、高校現場に分かりやすく伝えていくことが求められている。就活の現場でも、WEBインターンシップやオンライン面接が導入された。リアルでの就活では、インターンシップや説明会等を通じて、多くの情報から希望する企業を絞り込んでいき、その過程で自分と仕事との接点を探すことが多かった。しかし、WEBになると、好きな情報だけ収集し、それ以外の情報を取得しない学生が増えている。また、WEB面接になると、情報が限定的なため、面接を通じての相互理解のハードルが高まる。そのため、より学修成果を可視化することや、大学までの活動実績や自らの志向を端的に説明することが重要になってくる。このように見てみると、大学進学と就活、どちらもデジタル化によって、狭い情報の範囲から進学先、就職先選びをする可能性があり、ミスマッチが生じる可能性が高まってくる。そのため、若年時からの早期の広報や情報提供が重要になってくるだろう。オンライン化は「時間」と「距離」を超越し、そして「費用」を削減できる。オンラインをうまく活用すれば、もっと気楽に早期から多くのオープンキャンパスや説明会に参加することができる。そうすれば、一発勝負や序列化された情報の中だけではなく、自分に合った大学選び、就職先選びができるようになる可能性も高まる。大学には、そうした視点に立った募集戦略やキャリア指導が求められてくるだろう。リアル、オンラインをどのように組み合せるか、デジタル化への対応は、ピンチをチャンスに変える好機である。高校の今と進路選択6Part 1CONTENTS大学の募集コミュニケーション28Part 2採用市場と大学の就職・キャリア支援36Part 3

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