カレッジマネジメント226号
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13リクルート カレッジマネジメント226 / Jan. - Feb. 2021の大学では、「部署内・部署を超えた協力」について否定的な評価の割合が高い。学長からみた大規模校の運営の難しさが表れている(表8)。ここまで改革の進捗と課題、職員に期待する役割と現状等について、調査結果をみてきたが、学長はミドル(部課長層)の現状をどう評価しているのであろうか。最初に、「理事・事務局長層」、「部課長層」、「中堅・若手層」の3つの階層に分けて、それぞれの役職層が期待した役割を果たしているかの認識を尋ねた。図12で明らかなように、「とてもそう思う」の割合は、理事・事務局長層が32.0%と、他の階層に対する評価を上回っている。このことは、先に述べた副学長等学長を補佐する体制について満足度が高かったことと共通する面がある。副学長や理事・事務局長は、学長をより直接的に補佐する機会が多く、それに伴って信頼感が増していることが背景にあると考えられる。設置形態別にみると、職員組織のトップとしての理事・事務局長層の役割を、国立大学の学長が特に高く評価していることが分かる。「とてもそう思う」の回答割合は55.9%と極めて高い(表9)。部課長層に期待する役割についてある程度そう思うとてもそう思うあまりそう思わないそう思わない理事・事務局長層は職員組織のトップとして期待した役割を果たしている部課長層は部や課が機能を発揮できるよう期待した役割を果たしている中堅・若手層はそれぞれの立場において期待した役割を果たしている(%)32.017.311.275.413.467.613.31.858.27.62.2特集 大学経営を支えるミドルマネジメントResearch result調査データ図10 職員が期待される役割を果たすために必要な能力と現状評価「職員が期待される役割を果たすために必要な能力の現状をどう評価しているか」図12 職員組織を3つの階層に分けた場合の現状評価「職員組織を理事・事務局長層、部課長層、中堅・若手層の3つの階層に分けた場合、現状をどう評価しているか」ある程度そう思うとてもそう思うあまりそう思わないそう思わない職員が熱意を持って主体的に仕事に取り組んでいる職員が仕事を通して成長する環境にある率直に意見を言い合える雰囲気がある意識や情報が十分に共有されている職員同士が部署内または部署を超えて協力しあっている(%)19.511.514.68.812.048.036.93.157.531.91.861.122.61.860.226.51.872.68.0ある程度は有している十分に有しているやや不十分である全く不十分である教員と協働する姿勢新たな課題に挑戦する姿勢主体的・能動的に取り組む姿勢当事者意識を持って業務に取り組む姿勢情報を収集し、分析する力企画構想力や計画策定能力的確かつ効率的に業務を処理するスキル業務に関連する知識(%)18.614.23.57.616.410.65.823.064.212.40.437.850.26.254.031.93.564.418.20.948.242.02.243.446.96.268.116.41.373.57.50.4図11 職員組織の現状に対する認識「職員組織の現状に対してどのような認識か」部課長に求められる「新たな課題への取り組み」「業務の改善」「他部署との連携」「部下の育成」ミドルの現状に対する評価

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