カレッジマネジメント226号
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22リクルート カレッジマネジメント226 / Jan. - Feb. 2021司会 ここからは職員のなかでも「ミドルマネジメント層」に焦点を当ててお伺いします。外から見る大学の姿が変わったことで、民間企業から課題意識を持って転職する若手も増えていますが、実際に入ってみるとギャップを感じることも多いようです。金田さんと佐々木さんは、転職者も含めた、ミドル層の人材マネジメントについてどのように見ていますか。金田 本学も採用に力を入れているので、優秀な人材が入ってきますが、彼らをどう育てて、そのために組織や職場をどのような形にするのかに関しては、未だ中途半端だという気がしてなりません。本学の部長会議でも、時々人が育っていない、将来を担う人を育てるのに研修をどうするのかという話題になります。もちろん研修も大事ですが、実際の仕事を通じたOJTでどのように育てるのかという意識が、各課長や部長を含めてやや希薄のように感じます。部下面談で丁寧に話を聴くことも十分にできていないようですし。早稲田大学ではいかがですか。佐々木 本学もここ15年くらい中途採用を積極的に実施してきました。最初の頃は、大学業務のイメージが異なったのか、入った方が次々と退職してしまったのですが、今はかなり定着してきました。その結果、本学では今、世代間で職員がはっきり3層に分かれるのが、経営側として気になっています。まず、50代以上は新卒入職の生え抜き組の人達がほとんどで、部長級の多くがこの層です。一方、40代は転職組が半分を超え、ここで大きく世代間の差が出てきて、カルチャーを少し変えてきています。氷河期で入った新卒と転職組が半々というミックス層であり、課長級から副部長級にいます。その下が最近の若者世代層で、大きく3つです。例えばコロナ禍における職員の働き方の話についても完全に意見が分かれますし、議論の仕方にも世代差があります。ガンガン議論したい生え抜き層、複雑なメンタリティのミックス層、自分達がどうなるか大きな関心や不満を持っていても言わない若手層。各世代の価値観の違いは感覚のような部分もあり、一致は難しく、各世代の意見をどうやって生かしていくべきかと日々考えています。吉武 大学自体の置かれている状況やマネジメントが随分変化しているということもあるでしょう。国立大学の場合は、国家公務員という安定した職を求めて入職した法人化以前の職員と、国際交流や学生支援等大学ならではの業務に携わりたいと思って入職した法人化以降の人達の間に大きなギャップがあります。そこにさらに転職組も加わってくる難しさがある。ですから、職員に何を期待するのか、職員の役割は何なのかということを各大学で明らかにすることが必要で、それにふさわしい組織のあり方、権限、枠組みを作っていかないと、ただ単に意識の問題、能力の問題としてしまうのでは解決が難しいと思います。司会 昨年11月に開催された中央教育審議会大学分科会の資料「教育と研究を両輪とする高等教育の在り方について」の中で、大学の組織マネジメントの確立・推進には、「事務職員の役割を明確に位置付け、管理運営業務を委ねてみるという転換期」とありました。今だに「委ねてみる」「転換期」という表現がされていますが、この現状をどう捉えますか。金田 学会会長としては、やはり遅々としているなという感じで受け止めています。大学ごとに実態が異なるので一概に言えませんが、本学の場合、教員理事の数が職員理事の倍以上であり、また職員理事の分掌する部門もまだまだ限られています。このあたりをどのようにミドルマネジメント層の能力・スキルにおける現状の課題職員のミドルマネジメント層に期待する役割、能力、スキル 過渡期の中のミドルマネジメント

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