24リクルート カレッジマネジメント226 / Jan. - Feb. 2021佐々木 今後10年、15年先を考えると、教員の役割、つまり教員がやるべきことが変わってくるだろうと見ています。教員の採用は公募が中心になってきていて、本学の国際教養学部では国際公募の海外の教員が多く在籍しています。言語の問題のみならず、今までの日本的な大学教員のカルチャーが継続しなくなる可能性が早晩出てきます。実はこれまでは、教員にかなりのアドミニストレーション業務を担当頂いて大学業務が成り立っているところがあります。例えば入試であれば、試験監督も含め、ある程度先生方に役割を担ってもらっていたわけです。ところが海外の教員からは「事務は教員の役割ではない。私達は研究教育をするためにここに来たのだ」と言われることがあり、今後そういった教員は増えてくるでしょう。そうなると、ミドル層に求められる役割は、職員が担わなくてはならない機能をしっかりと引き受けて、自分達で判断して運営することです。単純にキレイな企画立案をつくるだけでなく、その業務を一気通貫で運営して結果を出すところまでできる人材を、気概と覚悟を持ってこの10年で育成しないと間に合いません。金田 学会で常に考えているのは、大多数の教員には教育・研究に専念して頂き、それ以外は職員の我々が責任を持ってやるものだという心意気を持たなければならないということです。これまでの我々は、与えられた枠の中だけで仕事をしてきたことが多かったように感じますが、これからは我々が自立的・主体的にやらないといけないのです。吉武 教員自身が権限を手放したくないのか、仕事を抱えてしまっているという面もあります。海外の大学は教員より職員のほうが多いのに対して、日本の大学は教員と職員の比率が大体2対1です。そのことだけでも、教員が中心となって多くの仕事をしていることが分かります。その結果、職員は長いこと「与えられた枠の中」で仕事をするようになり、能力を伸ばせていく状況になかったと言えるでしょう。グローバルな競争環境において、教員がより教育研究に力を注ぐことが求められる中、これまで教員が抱えていた管理運営的な業務を引き受ける人が必要になります。それが職員であり、職員の主体性を引き出すためにも、より自律的・自己完結的に仕事を行う状況をつくり出す必要があります。そしてそのことを率先して引き受けていくのは、やはり第一線のミドル層であり、さらに若い職員のキャリア形成に責任を負い、サポートして育てる環境を作るのもミドル層の役割なのだ思います。 司会 経営層に向けても責任を持つ立場であるし、若手育成の環境を作る立場でもある。ミドルアップダウンの実践に加え、教員との関係でも上か下かではなく、全体調整しながら責任を持って主体的に動いていく立場に変わらなければいけないということですね。業務を一気通貫で判断し運営し結果を出せる人材を、気概と覚悟を持ってこの10年で育成する必要がある。 (佐々木氏)ミドルマネジメント層に期待される役割
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