カレッジマネジメント226号
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25リクルート カレッジマネジメント226 / Jan. - Feb. 2021司会 では、求められる役割を果たすためには、どのようにミドルマネジメント層の育成が行われるべきでしょうか。先の学長調査でも、「将来の理事・事務局長人材と部課長人材の計画的育成が課題」という結果が出ていました。ミドルマネジメントというのは言ってみれば次世代リーダーだと思うのですが、金田さん、学会でそのような議論は出ていますか。金田 今まで20年間ぐらい、人事・組織・財務といったテーマ別の研究会を行ってきたのですが、今後は各テーマに横串を通した総合的な研究会、例えば各部局が関与するリスクマネジメント等の新しい展開をしなければと考えています。さらに知見の高い会員も多数いるので、若手SD講座や若手・中堅に対する講演・ワークショップ等を開催し、ミドルマネジメント育成に有効なことをやっていこうとしています。学会は大学職員の研鑽と親睦を含めた職能団体としての位置づけと、研究団体としての位置づけ、どちらもあるのですが、多くの会員の総意としては、職能団体としてお互いに切磋琢磨しながら、若い人たちを育てていこうという方向であると思います。今後はそちらに少しずつ軸足を移したいと考えています。司会 今回の学長調査でも、ミドルマネジメント層への評価として、①育成ができていない、②他部署と連携して横串を通すことができていない、③ジョブローテーションができていないという、3つの点が低い結果でした。そういった観点からの職能団体としての学会の役割も期待できそうですね。佐々木さん、早稲田ではどんな育成をされていますか。佐々木 本学では、ここ1、2年新しい育成の試みを実践しようとしています。というのも、これまでの10年、15年の間で、人事部が全て担うという育成方式では、これからの時代に求められる人材が育っていないと感じています。具体的には、企業では一般的かもしれませんが、「自分でキャリアを形成する」という取り組みです。人事部に仕事やキャリアを全て決められるのではなく、自分がやりたいことを明確に意識し、そのポストに就くために自己研鑽や研修などの努力を行う。また、大学側も努力をしている人の情報を公平に収集し、きちんと応えて行こうというものです。まずは去年から、自分で手を挙げて異動する学内公募制度をスタートさせました。最初は5~6部署で実施しましたが、今年は10部署に増やす予定です。自分も選ばれるし、職場も選ばれる関係となり、「良い職場を作らな多くの教員が教育・研究に専念して頂けるよう、職員は与えられた枠の中だけでなく、もっと主体的な姿勢で仕事に取り組むことが重要。                (金田氏)特集 大学経営を支えるミドルマネジメントRoundtable座談会部課長層が活躍するための育成やキャリアパス等、大学としての人材マネジメントの在り方ミドルマネジメントをどのように育成しているか

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