カレッジマネジメント226号
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27リクルート カレッジマネジメント226 / Jan. - Feb. 2021専門性とジェネラリストの点は難しいのですね。企業だとジェネラリストの組織が世界と競える時代でもありません。ただ、大学職員の基礎力という意味ではいわゆるT字型、プロとして専門性を深く掘り下げながらも、全学的な視野を持ち続ける意識を持った人材を育てていくべきだと思いました。司会 地方大学や小規模大学では、きちんとした人材育成ができていないという自校認識も多いように感じます。小規模大学におけるミドル層の育成について、何か学会の活動はあるでしょうか。金田 学会では全国の各地区別に分かれて研究会を行っているのですが、コロナ禍の現況下、オンラインによる研究会・勉強会や、地区合同のコラボ研究会等、少しずつできるようになってきました。昨年11月下旬には東北地区研究会及び中堅・若手勉強会を、12月上旬には中国・四国地区と関東地区とで女性職員をパネリストとした合同研究会を実施しました。オンラインの活用により、距離を超えて地域の会員と容易に懇談することが可能となりましたので、この機に各地区研究会の方と会長、副会長等とのコミュニケーションを積極的に図り、双方の関係を強化したいと思っています。吉武 学校基本調査によると、全国の私立大学の専任職員の平均数は約90名です。企業に例えると中小企業規模であり、公立大学はもっと少ないうえに大半の人が自治体から派遣されている状況です。つまり早稲田も法政も人事ローテーションができるという意味では余裕があり恵まれた大学だということです。そうした大学でしっかりとしたミドル層を育てると同時に、人材育成の方策を示して頂くことで、中小規模の大学がそれを学びながら、自校のミドルを育てていくということが良いと思います。しかし同時に、簡単に実践できない部分があると思うので、それを補うサブシステムが必要です。職能団体としての大学行政管理学会や、大学の様々な団体あるいは東北大や筑波大学等の個々の大学が提供する育成プログラムの等を通じて、職員の能力を高めていくことが大事なのかもしれません。司会 大学の外の機関の関与も活用していくのが良いということですね。では、最後に皆さんから一言ずつお願いします。金田 吉武先生のおっしゃった、職員が自分の問題として自律的に捉えられるかという、当事者意識が大事であると感じました。それを持てるか持てないかで仕事への見方が変わってきますので、職場でも学会でもそのような意識が浸透するように努めたいと思いを新たにしました。佐々木 今の職員は大変優秀な方達が多く、彼らが少しでも「職員の仕事は楽しい、面白い」と思えるようなキャリアのあり方や職員組織を作れたら、と思っています。吉武 学長や理事といったトップマネジメントクラスには数年で任期が来ます。そして教員には、大学組織より自分の学問や学生を育てることへのコミットメントを重視して欲しい。そうなるとやはり、本当に大学組織に対する強いコミットメントとエンゲージメントを持つのは、職員、とりわけミドル層を置いてほかにないのです。その強い意識をしっかりと持つことで初めて、これから入ってくる職員や若い職員達を育て上げることができるのです。司会 多様な観点からのご意見を頂き、ありがとうございました。(文/能地泰代)特集 大学経営を支えるミドルマネジメントRoundtable座談会地方大学や小規模大学におけるミドル育成

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