カレッジマネジメント226号
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31されている。なお、センターが担っている役割がもはや学内の域に留まっていないことも、ここで強調しておくべきだろう。まず、上述の政策立案トレーニングには他大学の職員も積極的に受け入れている。それだけでなく、受講生たちが生み出す研究成果は、学会等の場で発表され、ほかの研究者に刺激を与えている。そして何より、こうした立命館の取り組み自体が、全国の大学関係者が職員育成を考える際の参照事例になっている。「研究推進」「職員育成」「社会への発信」の3つを柱にしつつ、自律的・自主的な大学づくりの担い手となる職員を養成しているのが、大学行政研究・研修センターである(図2)。立命館では次の挑戦も始まっている。2014年度に方針が定まり、2015年度より各種施策が実施されるようになった「育成型人事制度」だ。大学職員の業務は急激に多様化、複雑化、高度化している。だとすれば、採用・配置・異動・研修、その他職員が経験する全てに「育成」という観点を盛り込む必要があるのではないか。このようなコンセプトに基づいて整備された制度である。具体的な内容は図3の通りだが、職員のライフコースを4つに分け、各期の成長・育成目標を設定、段階的に力量を形成・向上することが目指されている。注目しておきたいのは、最終段階である「熟達期」に、勤続年数6年目リクルート カレッジマネジメント226 / Jan. - Feb. 2021図1 政策立案トレーニング図2 大学行政研究・研修センターの概念図職員育成社会への発信政策立案ゼミナールスキル講義 & WSFB発表客観的意見・多様性課題設定の見直し構想へのFB 振返り伝える・発表ロジカル・シンキング原因追求問題解決&課題設定構想計画発表職員力量目標共有自律的・自主的な大学づくりの担い手となるアドミニストレータ—の養成研究推進特集 大学経営を支えるミドルマネジメント育成型人事制度の導入

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