カレッジマネジメント226号
36/54

36リクルート カレッジマネジメント226 / Jan. - Feb. 2021部長課長係長主任課員B課員A内定者の職階(課員、主任、係長、課長、部長)に応じた能力、それぞれの職位の卒業基準を定めた。全管理職が参加して職能等級基準書を作成したところも特徴的だ。上半期、下半期に分けて、上司と第1次面談をして業務の目標を定め、チャレンジシートを作り、そのうえで、逐次コミュケーションを取りながら個人目標を管理する。半年終わってどうだったかの面接を少なくとも年に2回は行い確認している。クリアするために何を勉強すべきか、こういう勉強をしたらといったアドバイスもしている。 次に、「研修体系」はそうしたゴールに向けて勉強すべきことの体系で、職能ごとに学ぶべきものが定められており、ほぼ必修になっている。図3に詳しい研修体系を示した。学内研修のほか私大連等学外のものも一部ミックスされている。仏教系の大学と共同で実施するものもある。かなり細かいので運用は大変だという。現在は1本で複線化されていないが、職員のあり方の多様性を考えて今後は複線化や選択制にしていく可能性も検討している。 図2にある「職員ポートフォリオ」は毎年、アナログの形だが自分たちで書いて振り返るものを作り、運用を始めている。職員ごとに、経験した職歴・職務内容、免許・資格の取得状況、今まで担当した業務で業績を残したこと(特に力を入れて取り組んだこととその成果)、今後経験したい業務(異動の希望がある場合、該当する課を3つまで記入)/大学職員としての将来像、地域社会での活動/大学業務以外で取り組んでいること、自分の特徴(強み、弱み、趣味、特技等)、職務上配慮してほしいこと(ある場合のみ)を記入する形式となっている。 「魅力化手当」はSDの一環で、1年20万円の枠で自身の研究計画に対して資金補助するもので、いわば教員にとっての研究費のようなものである。自分で必要なものを自主的に学ぶのを支援する仕組みである。当初はSD手当と呼んでいたが、大学の魅力化に貢献してほしいし、大正大学の魅力の一つであるという思いを込めて、今年から魅力化手当という名称に変更した。職員の約9割が申請し、実際に半数以上が精算しており、多くの職員が活用している。どのような内容なのかを尋ねたところ、多いのはキャリアコンサルタント等の資格取得や学会参加にかかる費用だが、1年20万円で、翌年以降も毎回、上限20万円で申請できるので、大学院に進学する等、数年単位の計画を考える人もいる。自分がどう成長したいかを言語化して、上司との面談を経て提出してくるので、これまで申請してきたものを人事課ではじいたことはないという。必ず学んだ知見を大学に持って帰ってきてほしいと面談で伝え、学ぶことが推奨されている。職員の学びに対する充実した財政支援に驚いたが、成果について尋ねたところ、「職能等級基準を早めにクリアする人が出てきた」「学会に入ったり、発表しに行ったり、他大学の人とコミュニ図3 事務職員研修体系DP(職能等級基準書)職位別研修外部団体研修目的別研修部門別研修各部署内SD考課者研修私大ネット36研修キャリア・プランニング研修キャリア・ディベロップメント研修業務創造研修文部科学省大学基準協会私立大学庶務課長会日本私立大学連盟日本私立学校振興・共済事業団その他の外部団体創発思考プログラムPDCAサイクル修得プログラムフォローアップ研修高等教育施策研修外部組織への出向学校法人会計基準研修アドミニストレータ―研修ヒューマン・リソース・マネジメント研修自己点検・評価・内部質保証に関する研修人的ネットワーク研修労務管理研修Ⅱ浄土宗宗立宗門校教職員研修会窓口対応力向上研修障がい者支援研修コーチング研修Ⅱリーダーシップ研修マネジメント研修Ⅱマネジメント研修Ⅰコーチング研修Ⅰフォロワーシップ研修ビジネスマナー研修内定者研修オンデマンド研修法令・規程研修業務関連諸規程研修OFF the JOB 研修失敗学・創造学研修セルフマネジメント研修私立大学庶務課長会職員基礎研修環境分析と経営計画策定研修民間企業の経営手法理解研修新入社員セミナー・フォロー研修夏期仏教研修道場労務管理研修Ⅰマネジメント研修群高等教育研修群大学経営研修群大学理解研修群キャリア形成研修群大学改革に関する研修TSRマネジメント報告会TSRみらいフォーラム事業計画・財務研修大正大学・佛教大学合同研修マイナンバー事務担当者研修ハラスメント防止研修危機管理に関する研修花街道PJ研修入試研修上級救命講習防災研修補助金研修科学研究費研修四大学合同SD研修報告会

元のページ  ../index.html#36

このブックを見る