カレッジマネジメント226号
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45リクルート カレッジマネジメント226 / Jan. - Feb. 2021の担当者として「IR室の企画を全学で実施する際の『つなぎ』が私の役割」と言い、現状を「各学科での共有をさらに進めていく段階」と位置づけている。3ポリシーに加え、「アセスメント・ポリシー」も作成された。学修成果の可視化は、「大学がどういうデータをとり、分析、活用、公表していくか」というこのポリシーに基づく取り組みとなっており、成績評価、アンケート、外部試験が行われる。成績評価のDP対応ルーブリックは、学期ごとに自己評価を行い、教育目標であるDP(ディプロマポリシー)についての成果を可視化する。「卒業に関わる科目の評価に用いるルーブリックは、学位プログラムごとのDPに合わせて作成中です」(桐原学長補佐)。学生アンケートが可視化するのは、在学中の活動や経験だ。話ですが、卒業後のデータを収集することも予定していて、卒業者アンケートや企業アンケートを通じて、社会で求められているものと本学の教育がどう関連しているのかも見ていきたいと思っています」(高野副学長)。「実際の調査のあとは、全学のFD交流集会などの場で、各学科のデータ概要や特徴を共有する流れになっています。詳細なデータを受け取った学科は、各々でこれを活用していくことになります」(桐原学長補佐)。全学的に取り組みを進めていくにあたっての困難は、あまりなかったと高野副学長は言う。「このことに限らず、本学では、全学で共有する議題があるときには、全学の教員が集まる『全学交流ダイアログ』という会議を開催します。それがうまく機能していると思います」。ジェネリックスキルを測定するPROGテストは、他大学との比較により大学の位置づけや特徴を知るだけでなく、2回受けることで学生が自身の成長を確認できるものとなっている。各データは、複数の調査を連携させて複合的に分析することも想定して配置しているという。例えば、外部試験のPROGテストでも、自由設問を卒業時アンケートと連動させるといった工夫で、伸びている学生はどういう要因が効いているのかを分析できるようにしているという。データを取り始めたのが、新しい3Pで動き出した2019年度入学生からなので、現在はまだ、2019年度入学生の1年分と、2020年度入学生の一部をもとに、分析を少しずつ始めている段階という。「もっと蓄積されてくると、色々なことがわかってきますので、それを教育の改善につなげていきます。少し先の入学時在学時卒業時卒業後アンケート入学生アンケート学生生活アンケート卒業時アンケート卒業者アンケート授業評価アンケート企業アンケート英語能力CASEC(入学時)CASEC(1・2年次)外部試験PROGテスト(入学時)PROGテスト(最終学年)成績評価GPAの変化(半期ごと)卒業時のGPA大学共通DP対応ルーブリック(半期ごと+卒業時)卒業に関わる科目のルーブリック入学時及び卒業時の期待感、満足感などの比較を行う。PROGテスト:ジェネリックスキル(社会で求められている能力)を在学中に2回測定し、学生の成長を確認。他大学との比較により本学の特徴を知る。大学共通DP対応ルーブリック:本学独自の教育目標における学修成果を知る。学生の自己評価によりDPに対しての到達度を測る。卒業に関わる科目のルーブリック:本学独自の教育目標における学修成果を知る。入学時から卒業まで(ゆくゆくは卒業後も)の様々なタイミングで取得した学生個々の成績状況、アンケート結果、外部試験結果データを蓄積。必要に応じてそれぞれのデータを複合的に分析することにより、教育・研究活動の環境整備や指導方法などの改善に活用する。DP達成の検証に向けた様々な可視化全教員参加の「全学交流ダイアログ」が機能アセスメント・ポリシーに基づいた取り組み

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