カレッジマネジメント226号
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5リクルート カレッジマネジメント226 / Jan. - Feb. 2021長からみたミドルマネジメントは、業務に関する知識を持ち、教員とも協働しながら、的確かつ効率的に業務を遂行している。その一方、柔軟な発想で新たな課題に挑戦をしたり、情報収集・分析に基づいて企画・構想をする力、配下職員の育成等については、不足を感じているということが判った。こうした現状への打ち手としては、学内的には目標を明確にした業務運営の実施や、挑戦的な課題の賦与を行うとともに、学外研修への参加を促して、情報収集や視野を広げる機会を用意したいと考えている。特集を通じて感じたのは、多くの学長が職員の役割が高まっていることを認識し、今後も役割がさらに高まっていくと予想しているものの、まだまだ大学においてはミドルマネジメントの役割や期待が明確でなく、有効な育成方策が確立されていないということだ。大学改革が進んでいる大学ほど、職員や部課長層が期待した役割を果たしているとの回答が多く、まさに職員力が大学改革の成否を決めるといっても過言ではない時代になってきた。特にミドルマネジメントは中期計画の中核的な推進者というだけではなく、次世代の経営者予備軍である。今回の特集を機に、大学においてもミドルマネジメント(主に部課長職)の役割や育成について議論が巻き起こることを期待したい。役割・部課長の下で部や課の業務が適切に行われている・部課長は健全で働きやすい環境の確保に努めている・部課長は教員とも十分に連携・協力している・部課長の下で部や課が新たな課題に取り組んでいる・部課長は他部署の部課長とも十分に連携・協力している・部課長は配下の職員の成長を重視し、その育成に努めている能力・業務に必要な知識・コミュニケーション能力・業務を効果的・効率的に進める力・固定観念にとらわれない柔軟な発想・新たな課題を発見し、挑戦する姿勢・企画構想力十分不十分【職務遂行能力を高めるための育成施策】・目標を明確にした業務運営  ・学外研修  ・挑戦的な課題の賦与『ミドルマネジメント(部課長層職員)の役割と育成に関する調査』より上位の項目を筆者抜粋【学長のミドルマネジメント(主に部課長職)に対する現状認識の概要】

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