カレッジマネジメント226号
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53リクルート カレッジマネジメント226 / Jan. - Feb. 2021など企業出身の実技指導員のもと、学部1年次から代表的な加工法を学ぶ。2015年4月に竣工した国際交流ハウス(Ti-House)、2016年11月に竣工した久方寮はどちらも学生寮として活用。国際交流ハウスは、主に外国人留学生や大学院生などの宿泊・滞在機能を担い、また日本人学生が国際性を涵養する場として、留学生との交流や海外の文化を知るための様々なイベントが開催されている。また、開学以来、学部1年次全寮制を実施してきた本学では、4年前に新しい久方寮が完成した。新しくなった久方寮でも、以前と変わらず個室を完備している。一方、8人で一つのユニットを構成し、コモンルームと呼ばれる共有スペースで仲間と食事や勉学を共にしながら、協調性や自立心を育んでいる。充実したキャンパス環境を活用しつつ、これまでに蓄積した多様な教育・研究スキームを十分に機能させ、深い理解を追求する学修活動と高いオリジナリティを追求する研究活動とを展開し、「山椒は小粒でもピリ辛い」大学としての存在感を高める努力を積み重ねてゆきたい。文/保立和夫 (豊田工業大学 学長 )側に講義室、事務室、教育実験室を含む創造性開発センター、東側に研究室、研究実験室を備えた6階建ての建物で、キャンパスの中核を担っている。東側の研究・実験エリアは、3階から6階まで階段を挟んだ吹き抜けの構造となっており、上下の空間的なつながりを増すことで、他の研究室ともコミュニケーションを図りやすいように設計されている。また、体験的教育を重視し、モノづくりを実践する場として創造性開発センター内に、「創造性開発工房(愛称:Eiji工房)」を設置。放電、旋盤、溶接、塑性加工など、モノづくりの原点を学べる各種の装置や設備が充実。トヨタ自動車、三菱電機創設者・初代理事長の豊田英二氏は、学内に充実した実習工場を設け、活用することの大切さを説き、その精神を想起するため創造性開発工房の愛称を「Eiji工房」とした。東棟には、半導体微細加工のための本格的な施設、クリーンルームを設置。太陽電池など最先端のデバイスや素材の研究をはじめとした活発な産学官共同研究を実施。国際交流ハウス「Ti-House」(左)と、久方寮(右)。久方寮のコモンルームの入り口は中庭に面しており、寮生同志が自然と顔を合わすことができる。人間力を育む場:学生寮「山椒は小粒でもピリ辛い」大学を目指して

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