カレッジマネジメント227号
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24リクルート カレッジマネジメント227 / Mar. - Apr. 2021部署につなぎ、指示を仰ぐ。大学や教員と新入生の間で双方に利するように立ち回ることが彼らの仕事だ。こうしたピアサポーターによって、縦のつながりが時間の経過とともに整ってきた。次に注目されたのは横のつながり、即ち同級や学部学科を超えた学生同士の人間関係をいかに醸成していくかであった。その軸となったのが「みんなのWa!」である。6月の11~12日、16~18日に、京都橘大学のクラブやサークル計25団体がWeb新歓としてオンラインでPRイベントを行った。その様子は全て、先に紹介したURLから視聴可能である。「みんなのWa!」のページに行くと、【団体一覧とSNS紹介】、【新歓PR動画】、【新歓パンフレット】、【クラブ・サークル紹介チラシ】等、キャンパスを訪れることができない状況であっても、クラブやサークルの様子を身近に感じることができるように工夫が凝らされている。今回は詳細を割愛したが、4回生やOBOGとつながるキャリア形成支援である「未来のWa!」も含め、「人と人とのつながり」を大切にしてきた京都橘大学だからこそ、そうしたつながりをオンライン上に創出して助け合うという考えが生まれたのであり、それが結集したのが「たちばなConnect Project」であった。以上のように「たちばなConnect Project」が、つながりを意識した多面的な支援を展開したことには、理念のほかにも理由がある。前節で述べたように、5月はいかに学生支援体制を整えていくかが中心的な課題であったが、この難題に取り組むべく、各部署から横断的にメンバーが招集された。招集されたのは各学部の修学支援、学生支援、就職支援、人事部門を担当する部署で、普段であれば日常的に学生と直接会話し、必要な支援を行う機会の多い部署が中心である。まさしく多面的な支援を展開するのにふさわしい陣容が整えられたと見て差し支えないだろう。それのみならず、プロジェクトを立案する過程で、メンバーが日頃感じていた各部署の業務遂行上のニーズを考慮した内容を盛り込んでいった。この「たちばなConnect Project」にはそうした内容が「総合的に詰まっている」と日比野学長は端的に言う。こうした横断的なチームだからこそ多面的な支援を展開できたわけだが、その裏には以下に示す重要な2つの狙いがある。①新入生への支援(入学後の学生生活や一部修学支援)②上回生をアルバイト雇用することでの経済支援特に②については、読者諸氏の大学等でも議論があったことと思われる。学費の議論のみならず、感染症の流行でアルバイトができなくなったことも起因し、全国的にも大学生の経済状況は極めて悪化した。大学独自の修学支援制度の申し込み状況等からも、その兆しが窺われた。そこで、プロジェクトでは、無報酬であるオリターとしてではなく、雇用契約を伴う「ピアサポーター」として体制を制度化し、オンラインで安全に業務にあたってもらう仕組みを整えた。また、「たちばなConnect Project」を含む学生支援に関して申し添えておかねばならないのは、コロナ禍という困1902年中森孟夫により京都女子手藝学校として京都市上京区に創立される1967年橘女子大学開学(文学部)1988年大学名を京都橘女子大学に改称1997年文学部に文化財学科設置2001年文化政策学部設置2005年男女共学化し大学名を京都橘大学に改称看護学部設置文化政策学部に現代マネジメント学科設置2007年文学部に児童教育学科設置2008年現代ビジネス学部設置(文化政策学部を名称変更)現代ビジネス学部都市環境デザイン学科設置(文化政策学科を改組)2012年健康科学部設置健康科学部心理学科に通信教育課程設置文学部に歴史遺産学科設置(文化財学科を名称変更)2015年現代ビジネス学部に経営学科設置(現代マネジメント学科を改組)2016年健康科学部に救急救命学科設置2017年国際英語学部、発達教育学部設置(人間発達学部を改組)2018年健康科学部に作業療法学科・臨床検査学科設置2021年工学部 情報工学科・建築デザイン学科設置経済学部 経済学科設置経営学部 経営学科設置図1 大学の沿革(概略)横断的な実施体制により現状を包括的に把握

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