カレッジマネジメント227号
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32リクルート カレッジマネジメント227 / Mar. - Apr. 2021か、悪くなったか」という質問への回答ごとに、知識・スキルの習得感への不安をみたものである。「成績が悪くなった」グループでは「身についているか不安」と回答した者は「そう思う」61.2%、「どちらかといえばそう思う」14.3%と4分の3に達するが、「良くなった」グループでも「不安」と回答した者は72.8%に達しており、成績に関係なく大多数の学生が不安を感じている。知識・スキルの習得感を実感させ、自己効力感を高められるかということはオンライン学習が抱える大きな課題のひとつであろう。それでは、学生はこれらの様々な不安や悩みごとを誰に相談しているのであろうか。最も多いのは親(65.4%)で、以下「クラスの友人」(52.0%)、「昔からの友人」(44.0%)、「きょうだい」(25.6%)、「同じゼミの友人」(21.3%)となっている。家族と大学の友人が主な相談相手であり、残念ながら教職員は多くない(12.8)。図5は学年別に相談相手を比較したものであるが、1年生は前期の対面授業がほとんど受けられなかったこともあって、「昔からの友人(高校までの友人)」が多く、「同じゼミの友人」や「先輩」が少ない。対人ネットワークを確立すべき時期の空白はまだ埋められていないようである。4年生になると友人との場がクラスからゼミにはっきりとシフトしている。学生達は生活や行動が大きく変化している中でも不安に直面し続けているが、仮に自分が感染した場合に、どのような不安・警戒を抱いているのだろう。図6をみると、家族や友人等、身近な周囲の人に対する影響が及ぶことに対しての不安が強く、9割以上に達する。自分自身の健康への影響(重症化、死亡)への危惧より、感染予防が不十分であったことへの社会からの批判(85.6%)も含め、周囲との関係が学生の不安の種であることが分かる。大学として感染者の個人情報の取り扱いや感染者保護に最大の注意を払う必要があることを示す結果である。就職活動については、様々な調査で明らかにされているように、採用活動の方式や時期、採用人数等の変化を学生達も実感していた。希望する業種の変化をみると、観光や旅客業の希望者がコロナ禍前の3分の1程度に激減し、IT系等の希望者が増加していた。図7のように、職業を選択する基準の多くは激変していなかったが、「在宅勤務、図4 前学期からの成績(上昇・下降)別にみた知識・スキル取得への不安図5 悩みごとの相談相手(学年別)図3 遠隔講義での不安の内容知識・スキルが本当に身についているか不安授業で理解できないことがあっても、相談することが難しく不安クラスメイトと理解度の共有ができないため不安演習・実習が充分にできないことが不安33.930.825.933.338.318.310.138.422.912.835.621.911.737.319.39.5(%)そう思わないどちらかといえばそう思わないどちらかといえばそう思うそう思う61.237.327.527.436.436.417.99.336.925.510.243.319.89.537.313.611.914.316.38.2(%)良くなった少し良くなった変わらない少し悪くなった悪くなったそう思わないどちらかといえばそう思わないどちらかといえばそう思うそう思う010203040506070その他SNSで知り合った友人相談しない・いないバイト先の友人大学の教職員部活動・サークルの友人先輩・後輩同じゼミの友人きょうだいクラスの友人昔からの友人親4年生3年生2年生1年生(%)学生は何に不安を感じているのか

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