カレッジマネジメント227号
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35リクルート カレッジマネジメント227 / Mar. - Apr. 2021要な人材を大学と地域社会が一緒に育てようという、本学ならではの講座です。2020年4月現在、電通東日本、ジュビロ、静岡銀行、藤枝市、磐田市等、静岡県と関係の深い16の企業や自治体等が寄付講座を開講していて、リアルな仕事の内容や課題、最先端の事例を学べる現場教育の機会になっています。例えばジュビロとは、プロスポーツのリアルな経営・運営・チーム作りを学んだうえで、ジュビロ磐田のホーム「ヤマハスタジアム」での来場者向けイベントの企画・運営に学生主体で参加しています。冠講座は「経営特別講座」という科目名で単位認定される経営学部の共通科目でしたが、後述する2021年度の新カリキュラムからは学科専門科目群に組み込み、科目名も「広告マネジメント(電通東日本)」、「金融・証券市場論(静岡銀行)」等、より専門性を明らかにした科目名に切り替えます。さらに2005年から、幼児に体を動かす楽しさを教える「キッズスクール」と、小学生に4競技(サッカー・体操・トランポリン・柔道)の技術指導をする「スポーツスクール」を、いわた総合スポーツクラブで実施しています。本学クラブコーチが発達段階に応じて技術指導し、技能・指導力に優れた学生がサポートします。学生にとっては、授業で学んだ子ども教育の知識を現場で実践できるだけでなく、スクール運営を学ぶ教育にもなっています。こうした一人ひとりの個性を伸ばす実学教育により、本学の学生は物事をポジティブに考え、積極的に地域に出てコミュニケーションを取りながら活躍しています。こうした姿を見ると、地域から本学の学生の人間力を高く評価頂いていると実感します。コロナ禍で開花した学内ICT化本学は文系大学ですが、これからは経営にも情報技術や情報処理能力が必要です。そこで学生に一人1台個人PCを持たせて授業で使用するBYOD(Bring Your Own Device)を導入しようと、2017年にICT 研究機構を立ち上げ、学習者中心の双方向型オンライン教育の研究を進めてきました。ですから、コロナ禍で世の中がガラッと変わった時にも、スムーズにオンライン授業を実現することができました。一番役立ったのは、ネットワークインフラの整備と回線をかなり太くしておいたことです。学生ポータルにアクセスが集中してもサーバが落ちることなく、前期のほとんどの科目を対話型のオンライン授業で行うことができました。後期もいわゆる講義はオンライン主体で、科目数の51%に当たる対面授業も少人数のゼミや実習なので、キャンパスにいる学生は全体の2、3割という感染予防策がとられています。また車で1時間かかる2つのキャンパス間でこれまでより手軽にオンラインの会議ができるようになったのも大きな効果でした。新学部「スポーツ科学部」2021年の4月から、現在の経営学部と情報学部を改組し、経営学部とスポーツ科学部の2学部体制とする新カリキュラムがスタートします。これは、経営学部のスポーツ経営学科を学部へ昇格し、名称もスポーツ科学部とすることで、経営から切り離したスポーツ科学の分野を拡げ、よりカリキュラムを充実させることが狙いです。さらにスポーツは「する、観る、支える」と、文化的側面も多く持っています。将来的には、例えば「する」の生理学や医学等の学際的な面白さだけでなく、「観る」の文化との融合、「支える」の経営やビジネス、社会学との関係等、学問の拡がりをしっかりと発展させていこうと目指しています。今後の方向性として、まず教学面においては、今言われるZ世代や、文科省GIGAスクール構想にもあるように、生まれた時からスマホがあるような世代が大学に入ってきた時に、デジタル対応と教育課程の変革に大学としてどう対応しておくべきか。また、経営面では地方の小さな大学として、小粒でもキラリと光る個性を持った大学としての存在価値をいかに明確にしていくのか。これが今後対峙すべき大きな課題だと考えています。(撮影 落合裕也)

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