カレッジマネジメント227号
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37リクルート カレッジマネジメント227 / Mar. - Apr. 2021「陸の孤島」であることは大学運営上のハンディだが、「逆に大きなアドバンテージかもしれない」と鵜﨑学長は言う。学生それぞれが地域とつながりやすく、学生同士の距離も、学生と教員との距離も自然と近くなるからだ。交通事情もあって、県内出身者を含めほとんどの学生が津山に住み、アルバイト先も津山市内。「みんなが地域とつながりながら生活している。津山がキャンパス、学びの場になっている」。しかもその中心は、人間関係の濃密な大学だ。ここは地方の小規模大学ならではの良さだろう。例えばクラブ、サークルの加入率も8割以上で、2つ3つと入っている学生も少なくない。その活動で、授業が終わってもキャンパスにとどまる。それだけ居心地がいいのだろう。「簡単に言えば、アットホームという言葉が本学の特徴。学習面でも、集まってお互いに学び合う、分からないところを聞き合うグループ学習の風土がある。得られるものは知識だけではなく、友達の頑張りを見ることです」。加えて教員も、学生との距離が近い。鵜﨑学長は、関係が密であることの効果をこう説明する。「学生が気楽に『先生これ、やりましょうよ』と言ってくる。言われれば教員は「例えば保育士になるためには、子どもがかわいいだけではすまないし、食べ物を作るのが好きだとかいうだけでは、栄養士になることとは距離がある。ですから、その職業のために大学でどういう学びをしなければならないかを、学生自身に理解させることが、まずもって先決だろうと考えています」。ここでも「地域」「学生同士」「教員」の密な関係性が活かされる。地域の中は、暮らしを支える専門職の人達の話を聞くことができる。現場経験者が多く揃う教員も、仕事に即した教育ができ、1年次から仕事の意義等を徹底的に教え込む。そのことで、学生は学びの大切さを理解し、意欲を高めていく。さらに効果的なのは学生同士の関わり、とりわけ先輩の語りかけだとい『よし、一緒にやろうか』となるものです。つまり教員は、学園の管理職に働かされているのではなく、学生によって働かされている。そこにあるのはやらされ感や義務ではなく、自主性です。この良さは、絶対に損なってはいけない。学生と共に歩む教員という基盤があって初めて、『教育の美作』は成り立っていると思っています」。美作大学の学生は、「家の近くのあの保育園に就職したい」「あの病院の社会福祉士になろう」というふうに「働く」の具体的なイメージを持っていることが多いという。その一方で、仕事の中身という意味での職業理解には甘いところがあると、鵜﨑学長は課題感を抱いている。具体的取り組み内容(就業観)地方小規模大学だからこその密接な関係性地方創生に資する魅力ある地方大学の実現に向けた検討会議(内閣府への文科省提出資料の一部抜粋)※美作大学ホームページ※美作大学ホームページ美作大学食・ 子ども ・ 福祉 のスペシャリストを養成する“ 教育力 の美作”【立地】 中山間地域に囲まれた10万人の岡山北部の地方都市○ 専門職への就職率 (2015〜2018)○ 出身県へのUターン就職率(2015〜2018)岡山県鳥取県島根県(全国平均 29.4%)(全国平均 19.2%)(全国平均 31.0%)85.6%66.2%70.9%【教育の美作】 管理栄養士、社会福祉士等の国家資格取得実績で国公立大学に負けない。・実践的教育でモチベーションを高める教育に特色。学生はよく学び、学び続けることの大切さを知った卒業生を育てている。【就職の美作】 通える範囲の人口が少ないため島根・高知・沖縄など 県外学生が6割以上。高いUターン就職率と専門職就職率とで地域を支える人材育成(複数県と就職支援協定を締結)食物学科児童学科社会福祉学科

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