カレッジマネジメント227号
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5リクルート カレッジマネジメント227 / Mar. - Apr. 2021希薄になってしまっている。クラス、サークルの同級生という「横のつながり」、先輩との「縦のつながり」、そして友人の友人、職員、地域・産学連携といった「斜めのつながり」、こうした“3つのつながり”が失われたことである。こうしたつながりには、授業だけでは得られない、気づきや将来につながる人間関係の構築が期待できる。そのためには、学生をいかにコミュニティーに所属させ、居場所を作っていくかにかかっているように思われる。多様な価値観や人間性を醸成していくためには、できれば、一つではなく、複数のコミュニティーに所属することが望ましいのではないか。平たい言葉でいえば、孤立させないために、大学が「寄ってたかって」つながりの場を強制的にでも作っていく必要があるように思われる。「安全対策」に加えて、学生の不安解消のための「安心対策」にどう取り組んでいくかである。大学は知識修得の場であると同時に、10代終わりから20代初めといった人生の多感な時期に、社会に出るための様々な経験、人間形成をする場である。学生一人ひとりの成長機会が失われないようにする工夫が求められる。コロナ禍は、直近での収束の見通しが立っておらず、2021年度入学生も、恐らく限定的なキャンパスライフを送ることになるだろう。だからこそ、学生を孤立させないためのコミュニティー創りやつながる機会を、リアルだけでなく、ハイブリッド型、あるいはオンライン上でどう作っていくかが重要になる。言い換えれば、ニューノーマルにおける新たな大学ごとの学生支援のあり方は、単に面倒見がよい大学というだけではない、新たな大学の個性になっていくのではないか。

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