カレッジマネジメント227号
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7リクルート カレッジマネジメント227 / Mar. - Apr. 2021げる学生も多く、コツコツ勉強する習慣があり何とかついていける学生とそうでない学生の二極化が強まったと言える。メンタルヘルスの不調については、遠隔授業がある程度進んできたなかで、徐々にクローズアップされてきた問題である。学生は毎日自宅の自室等で一人PC等に向き合い、(教材提示型やオンデマンド型の場合は)一人で授業を受ける(教材を視聴する)。誰かと関わることも、時には一言も言葉を発することもなく一日が過ぎていく。新型コロナウイルスの脅威で、外を自由に出歩くことも、課外活動に精を出すこともできない。特に、入学後一度もキャンパスを訪れることなく、このような状況を強いられた新入生においては、メンタルヘルスに不調が出てしまうのは当然のことである。大学は教育だけの場所でも、知識習得だけの場所でもない。この表現には2つの意味がある。1つ目は、現在求められている教育には知識習得以外の要素があるという点である。社会からの潜在的・顕在的ニーズやそれを踏まえた形で設定されたディプロマ・ポリシー(DP)では、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」等、多様な資質・能力の獲得が掲げられており、その実現のためのアクティブラーニングの推進もこの間図られてきたところである。緊急対応型遠隔授業の次に考えなければならないのは、遠隔授業の特性も生かしながらどのようにアクティブラーニングを推進し、DPの達成へと結びつけていくかであろう。2つ目は、大学には教育以外に学生が学び成長する機会が多く含まれているという点である。日本の場合、学生の大半は18歳〜22歳の年齢層であり、発達段階でいうと青年期後期に当たる。学校から社会へと移行し、また、子どもから大人へと移行する重要な時期である。この時期は、移行を遂げるために与えられた猶予期間(モラトリアム)であり、様々な物事に傾倒(コミットメント)する役割実験の期間でもある。その期間に、他者との親密な関係や親との適切な関係を築くこと、自身のア特集 ニューノーマルの学生支援020406080100(%)6月1日時点実施方法7月1日時点実施方法令和2年度後期実施方針(調査時期8月25日~9月11日)その他遠隔授業対面・遠隔を併用対面授業新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた大学等の授業方針・方法(文部科学省調べ、筆者作成)ほとんど遠隔19.03割が対面24.6おおむね半々25.07割が対面11.1ほとんど対面20.4(%)19.316.29.730.260.1060.123.8080.10.60【対面・遠隔併用の割合】※キャンパスという空間、大学生活という時間の持つ意義※四捨五入の関係で合計が100%にならない場合もある。

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