カレッジマネジメント228号
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11リクルート カレッジマネジメント228 / May - Jun. 2021たが、2017年度以降は、年度が進むごとに充足率100%以上の範囲が小規模の区分に広がり、2019年度以降は、200人以上3,000人未満の8つの区分で100%以上となっている。一方、定員規模の大きい「3,000人以上」では、2015年度以降、100%以上であったものが2019年度に100%未満に転じている。また、2019年・2020年と2015年の差をそれぞれみると、いずれも最小である入学定員「100人未満」から「800人以上1,000人未満」の8つの区分で増加し、反対に1,000人以上の3つの区分では4~11ポイント減少している(図表1)。定員管理の厳格化では、収容定員が4,000人以上の私立大学が対象になり、大学が主に4年制であることを踏まえると入学定員1,000人以上の大学が対象となる。この入学定員1,000人以上の各大学の入学定員を合計すると約30万人となり、私立大学全体の65%を占めている(図表2)ことから、入学定員1,000人以上の大学が入学者数を抑えることによる、1,000人未満の大学の入学定員充足状況に与える影響は大きく、入学定員1,000人を境に異なる傾向になったと考えられる。私立大学の地域別の充足状況を学校の所在地により、三大都市圏(東京、埼玉、千葉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫)と地方(三大都市圏以外)の2つに分けて分析したものが図表3である。入学定員充足率の過去6カ年の推移をみると、2015年度において地方と三大都市圏との充足率には9.56ポイントの差があり、また地方の充足率は97.72%と100%未満であったが、定員管理の厳格化が開始された2016年度以降、上昇し2018年度に100%以上となり、2019年度では三大都市圏の充足率を0.69ポイント上回る103.20%まで上昇している。2020年度においても上昇して103.51%となり、三大都市圏との差は1.17図表2 入学定員規模別入学定員の割合(2015年度)図表3 入学定員充足状況(地方・三大都市圏別:過去6カ年) 〔学校所在地ごとに集計〕(千人)(年度)(%)0100200300400500600201520162017201820192020地方 入学定員地方 入学定員充足率※ 入学定員充足率 = 各区分ごとの入学者合計 ÷ 各区分ごとの入学定員合計三大都市圏 入学定員充足率地方 入学者三大都市圏 入学定員三大都市圏 入学者5060708090100110109355359107.2897.72差9.56差1.1797.7999.88100.81102.51102.34106.45106.03103.19103.20103.51367373375384378387385389382381106109111111112113112116113117106地方私立大学の充足率が三大都市圏私立大学の充足率を上回る地域別の動向1入学定員1,000人以上302,958人(65.34%)入学定員1,000人未満160,739人(34.66%)(入学定員合計463,697人) 特集 地方大学の新たな選択肢

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