カレッジマネジメント228号
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25リクルート カレッジマネジメント228 / May - Jun. 2021なお、包括的で結果管理型の契約的な考え方として提言された内容については、今国会に提出された国立大学法人法の改正法案にも反映されており、既に改革が進み始めている。上述の地方国立大学の特例的な定員増のほかにも、本検討会議では内閣官房及び文部科学省に対し、地方大学の本質的な改革を促すための提言もなされている。例えば・ 大学設置基準第19条に規定する「自ら開設」の原則などについて、デジタルトランスフォーメーションを踏まえた、大学の改革を後押しするような制度・運用の新たな在り方を不断に模索すること・ 地方大学に対して、地域への貢献に係る期待をミッションとして明示すると同時に、そのための必要な環境整備として、運営費交付金の追加配分の可能性も含めて検討を行うこと・ 大学が自由裁量で活用できる補助金枠を創設することなど、根本的な運営費交付金の在り方も含めた見直しの検討を行うことといった内容が挙げられる。こうした点については、今後の文部科学省における検討に適切に反映されるよう、引き続き本検討会議との連携を図っていくこととしている。本稿でご紹介させて頂いた通り、本取りまとめが結果的に地方国立大学に焦点を当てたものとなったのは、地方国立大学が乗り越えるべき課題が大きいことが明らかになった結果であり、地方を支える知の拠点として公立・私立大学が重要な役割を果たしており、今後さらなる飛躍が期待されていることは、しっかりと明記されている。国公私を問わず地方大学が、地方創生に資する大学を目指して改革を進め、地方創生を進める駆動力としてさらに魅力的に発展するために、本取りまとめを役立てて頂ければ幸いである。地方国立大学の定員増に関する今後の流れ「地方創生に資する魅力ある地方大学の実現に向けた検討会議」取りまとめを踏まえて高等教育政策に関する見地から検討※内閣官房から出席を得つつ、検討を加速化定員増に関する審査会の審査※高等教育政策の観点から、地方創生に資する取組であるとともに、定員増の必要性、教育の質、取組の先導性や計画性等について厳正に審査審査会による定員増に関する最終的な判断地域の公私立大学や地方自治体、産業界と一体になった検討大学と自治体・産業界が一体となった地方創生に資する地方国立大学の定員増について検討・中教審の審議の審議状況、今後の選定手続き等について説明「地方創生に資する魅力ある地方大学の実現に向けた検討会議」「地方創生に資する魅力ある地方大学の実現に向けた検討会議」「地方創生に資する魅力ある地方大学の実現に向けた検討会議」取りまとめを踏まえた観点から審査・関係する諸会議の検討状況について必要に応じて説明・内閣官房が地方創生の観点に関して適否を判断○地方国立大学の定員増の要件を含む「魅力ある地方大学の在り方」取りまとめ○「地方創生に資する魅力ある地方大学の実現に向けた検討会議」取りまとめ○「まち・ひと・しごと創生総合戦略」閣議決定・「地方創生に資する魅力ある地方大学の実現に向けた検討会議」の設置・必要に応じて意見・必要に応じて意見・審査状況について説明最終的な取りまとめについて説明・中期計画の変更を認可・地方国立大学で収容定員増※組織改編等を伴わない 最速の場合・中教審大学分科会等で議論検討会議における取りまとめについて説明内閣官房大学・自治体・産業界文部科学省地方創生を含む、高等教育政策の観点から検討主に地方創生の観点から検討令和2年9月12月年度内目途夏頃4月令和3年令和4年申請国における今後の対応おわりに特集 地方大学の新たな選択肢(2)地方大学 2021年の現在地を確認する

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