カレッジマネジメント228号
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40リクルート カレッジマネジメント228 / May - Jun. 2021現在、静岡県の高等教育機関の数は25校であり、内訳としては、大学が15校、大学院大学が2校、短期大学部が7校、高等専門学校が1校となっている。2015年3月に県内高校を卒業した者のうち、大学進学者は54%であり、そのうち、28%が県内大学に、72%が県外大学に進学している。ただし、県内大学の入学定員に対する入学者数の割合としては、ほぼ定員を満たしており、キャパ的に受け入れられないという状況もある。また、県内大学出身者のうち8割が就職しているが、そのうち県内出身者は8割が県内に就職しているのに比べ、県外出身者の県内就職率は19%に留まっている。県外大学に進んだもののうち、77%が就職しているが、そのうち県内へのUターン率は38%であり、首都圏進学者のほうがその他地域への進学者に比べUターン率が低くなっている。こうした状況を踏まえ、県をあげて、県内への定着、特に一旦県外大学に進学した学生のUターン対策が進められているところである。本組織は2003年に発足した「大学ネットワーク静岡」という大学同士のネットワーク組織が発展したものである。2014年に静岡県からの提案により、社会貢献事業や教育連携事業の充実を図るため、一般社団法人として「ふじのくに地域・大学コンソーシアム」を設立し、翌年には公益社団法人化した。新組織である大学コンソーシアムは、大学間のネットワークを図りつつ、さらに、自治体や経済界を始めとする地域の色々な団体と連携を深め、教育力・研究力の一層の向上を図るとともに、県内全域への地域貢献のための活動をしていくことを目的としている。そのため、名称に「地域」が新たに入っている。会員としては正会員、準会員、賛助会員から構成され、総会での議決権を持ち、組織、事業等の運営を行う正会員のメンバーは、県内21高等教育機関と県を含む22の自治体、県教育委員会と県行政書士会となっている。また、準会員には議決権はないが事業に参加でき、現在のメンバーは3団体である。活動支援をする賛助会員は、現在7団体がメンバーとなっている。年々会員数は増え、現在56となっている。当コンソーシアムでは、展開する事業を7つに分類(教育連携、共同研究、地域貢献、国際交流、学生支援、機関交流、情報発信)し、様々な取り組みを行っている。大学間の連携が進み、会員も増えて事業も拡大していく中で、2019年3月、今後5年間の活動方針を示す中期計画を1年かけて策定したところである。2020年度、当コンソーシアムが実施した事業地方、地域における大学の位置づけ、現状置かれている環境コンソーシアム設立の目的・狙い具体的な事業内容と主な成果(4)競争から協働・共創へ公益社団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアム 事務局次長森川正浩大学と地域との連携強化の取り組み──ふじのくに地域・大学コンソーシアムの狙いと成果ロゴ

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