カレッジマネジメント228号
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46リクルート カレッジマネジメント228 / May - Jun. 2021本学は1927年、創立者有元史郎により設立されました。東京の芝浦、豊洲、埼玉の大宮に3つのキャンパスを持ち、工学部、システム理工学部、デザイン工学部、建築学部の4学部1研究科、約1万人弱の学生を擁する理工系大学です。有元が唱えた「実学重視の技術者育成の理念」を継承し、建学の精神「社会に学び、社会に貢献する技術者の育成」と、教育理念「世界に学び、世界に貢献する理工学人材の育成」を人材育成目標に掲げています。私は2005年に山梨大学から本学へ移り、今年4月、学長に就任しました。この16年間の改革の歴史で一番大きかったのが、2007年に実業界から柘植綾夫先生が学長に就任されたことです。柘植先生は大学のミッションとして3つの柱(教育、研究、社会貢献)をクリアに発信し、企業の運営方法であるPDCAサイクルを大学運営に取り入れました。私は当時学長補佐をさせていただき、組織の運営とはこうやって行うのかと初めて実感し、学長室周りの教職員の意識が変わっていったのを覚えています。次に、本学の卒業生で実業界出身の五十嵐久也理事長がガバナンス改革に着手します。就任時の2010年にガバナンス検討委員会を設置し、2014年度よりガバナンス改革を断行しました。理事会を最高意思決定機関とし、学長選考も教職員による選挙方式を廃止、教学トップを公正に審査できる選考委員会方式としました。同時に、2012年から9年間続くことになる村上雅人学長の体制に入り、教学の内容については学長が決めてそれを理事長がサポートするという、学長付託型ガバナンスが実現し、より迅速な意思決定ができる組織ができ上がってきました。2014年には理工系私立大学で唯一、スーパーグローバル大学創成支援(SGU事業)に採択されました。今振り返ってもそこから大学の雰囲気が一気に変わり始め、今日の基礎が築かれたと感じています。本学のSGU事業の取り組みは、教職員と学生が協働やまだ・じゅん1959年生まれ1978年 大阪星光学院高等学校1982年 ヤマハ発動機株式会社研究部研究員1988年 東京工業大学理工学研究科博士課程中退1988年 東京工業大学工学部生産機械工学科助手1995年 山梨大学工学部機械工学科助教授2005年 芝浦工業大学工学部機械工学科教授2008年 芝浦工業大学学長補佐2011年 芝浦工業大学評議員2015年 芝浦工業大学工学部長2018年 芝浦工業大学理事2021年 芝浦工業大学学長創立100周年に向けて真のグローバル理工系大学を目指す芝浦工業大学 学長山田 純大学改革先進校“芝浦工大”の軌跡スーパーグローバル大学創成支援(SGU事業)採択

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