49リクルート カレッジマネジメント228 / May - Jun. 2021学生が自身の成長と学修成果を可視化する仕組みだ。DPのうち9項目は批判的思考力、協働力など全学共通の汎用的能力(コンピテンシー)で、3または4項目は専門分野の特質に応じて学類(従来は学科)ごとに定め、12または13項目のDP全体がカリキュラムマップと連動している。これを指標として、アセスメントポリシーに沿ったルーブリックを使って5段階で自己評価し、レーダーチャートに落とし込むことで、自己の特性が分かりやすく可視化され、確認できる。また自己評価に当たっては、なぜその段階と判断したのか、自分なりの根拠を記述することとしており、入学から卒業まで年に1回ずつ計4回の自己評価が、定性的にも学びを振り返る機会となる。また、「学びの最適化」をするために2019年に導入したアドバイザー制度に基づき、アドバイザー(教員)が学生へフィードバックを行っている。教員1人当たり平均で学生7、8人を担当し、りに役立つということに、学生が目覚めてきたようです。それがメインのエンジンになって、キャリアとあまり関連のない分野も含めて、ポイントを申請する学生が増えてきたと思います。SPレーダーでも、この活動でポイントを獲得したということは、自己評価の根拠にできます。そのように、SPレーダーと重なってSPプログラムが実質的に動き始め、噛み合ってきたのがここ数年です」。キャリア教育に関しては、1年次必修「キャリアデザインI」から始まって、2年次・3年次の選択科目、SPプログラムによる「チャレンジポートフォリオ」と、手厚いキャリアライフデザイン科目が用意されている。また、キャリア形成に関連する資料を1年次から専用のファイルにファイリングして就職活動に備える「キャリアデザインポートSPレーダーの結果をもって個別に面談することで、SPレーダーの実効性を高めている。もう一つ尚絅学院大学独自の取り組みとして、チャレンジ精神・やる気を引き出す狙いのSHOKEI POINTプログラム(SPプログラム)がある。インターンシップ、ボランティア活動など、授業外の活動を申請するとポイントが獲得でき、15ポイントたまると「チャレンジポートフォリオ」という共通教育の単位(1単位)に換算される。実はこのSPプログラムは、2012年頃にスタートした当初はあまりうまくいかなかったという。単位は授業で取ればよいと、ボランティアなどに参加はしても、ポイントの申請はしない学生が多かったようだ。「単位になるというだけでなく、就活時に自己PRをするポートフォリオ作2 倫理観、社会的…3 コミュニケーション…4 専門分野を…5 批判的思考力…6 グローバルな視野…7 自己管理能力8 協働力9 挑戦する力 各学科① 各学科② 各学科③1 共感力3年生平均値卒業生平均値在学数◇3 年生 511 名(回収率 85.62%)◇卒業生 384 名(回収率 85.90%)• ディプロマ・ポリシーで求める能力(右)の到達度(レベル)の自己評価をレーダーチャートにしたもの• 2つの目的 ‒ 授業改善・カリキュラム検討 ‒ (回答学生自身の)学びの振返り→自分の成長の可視化→次のステップへの意欲• 運用方針 ‒ 2~4年生(進級に前年度を振り返る)、卒業生(卒業礼拝の日) ‒ 記入用紙→回収→データ化→記入用紙原本返却 ‒ アドバイザー面談などで使用全学共通項目1. 共感力2. 倫理観、社会的責任感3. コミュニケーション能力4. 専門分野を越えた基礎的・汎用的知識やスキル5. 批判的思考力・創造的思考力6. グローバルな視野・地域的志向7. 自己管理能力8. 協働力(チームワーク、リーダーシップ)9. 挑戦する力学科・学類独自項目・学科・学類ごと3~4項目SPレーダーとは3.53.02.52.01.51.0SPポイントで学生のやる気を引き出す教職協働での授業改善
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