カレッジマネジメント228号
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学の競争力が低下してきたこと、④志願者の自宅からの通学志向が高まっていること)に対しての対応を図ることが目的である。これは学園の長期ビジョンである「教育リーディング・ユニバシティ文教」を目指したものでもあった。キャンパス・ビジョンは、①広げる・広がる、②深める・高める、③伝統から未来へとし、大学を50年100年先へと繋げる契機(将来的な備え)としたいと「東京あだちキャンパス」建設を計画した。設計のコンセプトは、大学から街へ広がる学びの風景「ラーニングランドスケープ」を描く“3つのわ”をデザインするとしている。○地域、社会との“和”をデザインする○人と人との対“話”をデザインする○人と環境にやさしい循“環”をデザインする新キャンパスの特徴は、以下の5つである。①東西南北4方向どの面にも顔を持たせ、フェンスレスの開放的なキャンパスとしたこと。②地域へ配慮、連携したキャンパスをゾーニングにし、団地中央に向かってキャンパスの東側には開放性の高いスポーツ施設・食堂・カフェなどの厚生ゾーンを配置した。住宅地が多い西側には静寂な環境が望ましい教育研究棟を配置したこと。③中庭(ケヤキコート)を取り囲み、各棟を2階で繋いだアクティブリングを設文教大学は、埼玉県越谷市の越谷キャンパス(教育学部・人間科学部・文学部)、神奈川県茅ケ崎市の湘南キャンパス(情報学部・国際学部・健康栄養学部・経営学部)の2キャンパス体制であったが、特に越谷キャンパスの狭隘化が進行しており、教育力、競争力を高める学部学科の再編が困難であったこと、上記2キャンパスは距離的な面から連携を取ることが難しい状況であったことから、大学の中核的な拠点を作り、今後の環境変化や様々な課題(①マーケット環境の厳しさが激化(他大学の様々な改革、都心回帰の進行等)、②文部科学省の規制強化(補助金のカット、学部増や定員増などの認可申請の厳格化)により学生定員の抑制が始まったこと、③本60リクルート カレッジマネジメント228 / May - Jun. 2021はなはたステージ教育研究棟2階のインタープレイコンコース(コモンズエリア)のメインとなるエリア。小型のシアターのようなスペースで、プレゼンテーションやポスターセッションなどに使用できるほか、通常はくつろぎのスペースとしても活用。アイデア・クロッシング教育研究棟2階のインタープレイコンコース(コモンズエリア)にあり、ワールドファニチャーデザインの家具を配置。学生がくつろぎながら、考えをまとめられるエリアとしている。グローバル・ルーム「グローバルラウンジ」「えんがわラウンジ」で「グローバルコモンズ」を形成。国際的なコミュニケーションを図り、語学学習の支援を行う。ディスカッションスペース教育研究棟3階のレディネスコンコース(コモンズエリア)にあり、集中してグループでのディスカッション、グループワークに取り組めるよう、仕切られたセミオープンのソファブースを配置。新キャンパス開設の背景新キャンパスの設計コンセプト新キャンパスの特徴

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