カレッジマネジメント229号
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12リクルート カレッジマネジメント229 / Jul. - Aug. 20212020年度がどのような年であったのかについては、あらゆる場所で語り尽くされているといってもよいだろう。もとより高大接続を目的とした入学者選抜の改革元年と言われ、全ての受験生にとって先人のいないチャレンジへの不安が高まっていたなか、新型コロナウイルス感染拡大という有史以来誰もが経験したことのない危機に社会全体が直面し、高校生を取り巻くあらゆる状況が混乱、一変した年である。リクルート進学総研においても、昨年夏に高校2年生及び3年生を対象に「コロナウイルス感染拡大による進路選択影響調査」を実施し、感染拡大によるその混乱の渦中で、高校生達が何を考えどのように行動しているのかについて把握した(本誌225号「高校生の進路選択に 『今』何が起きているのか」参照)。そして想定外の高校生活を余儀なくされた1年を、年度が終わる2021年3月に、改めて彼・彼女達に振り返ってもらい、進路選択行動を明らかにするための調査を実施した。新たな進路選択をした2021年卒の生徒(現大学1年生)達と、先輩達の様子を近くに見ながら自らの検討を進め、決定の年を迎えた2022年卒予定の高校生の意識について、その一部を紹介したい。なお、例年との比較をするために、3年に1回、進路選択行動を把握するために実施している調査「進学センサス」※1との比較を行っている。また、以降、調査当時高校3年生でこの春卒業した学生を「21卒」、現高校3年生を「22卒」と記述する。高校生の変化対応力1調査名コロナウイルス流行による進路選択行動影響調査2021調査目的入試改革×コロナという変化変動の中で進路検討を余儀なくされた高校生の進路選択行動を把握する調査対象全国の高校2年生、高校3年生(調査期間段階)調査期間2021/03/08~2021/03/18調査手法WEB調査依頼数33656 調査依頼した対象者数有効回答数2610(高2(22卒):1292 高3(21卒):1319)集計対象数2118(高2(22卒):1053 高3(21卒):1065)回収率7.8 %実施機関:リクルート進学総研調査概要■21卒調査数■22卒調査数高校所在地北海道28受験検討方式一般選抜711東北52共通テスト利用入試455北関東・甲信越108総合型選抜199南関東384学校推薦型選抜(公募制)235北陸21学校推薦型選抜(指定校)273東海109まだ決めていない95関西226中国・四国60九州・沖縄77高校所在地アーバン720ローカル3464月進学先合格入試一般選抜/共通テスト利用入試524総合型選抜83学校推薦型選抜(公募制)148学校推薦型選抜(指定校)259新型コロナウイルス流行は高校生の進路選択にどう影響したのかを振り返る──リクルート進学総研「コロナウイルス流行による進路選択行動影響調査」より新たな入試制度の中で進路選択を迫られることとなった高校生達は、折しも人類の誰もが経験したことのないウイルス流行という危機にも見舞われることとなった。前例や経験が通用しづらい、変化の激しい状況の中で、何を考え、どのように行動したのか。2020年度末に1年を振り返る形でその実態を彼・彼女達に尋ねた。

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