カレッジマネジメント229号
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16リクルート カレッジマネジメント229 / Jul. - Aug. 2021情報収集段階においては少なからずコロナウイルス感染拡大が影響していたが、その後の志望校決定や出願や入試の段階においてはどのように影響したのかを見たところ、高校生がリスクを回避した安全志向が垣間見える結果となった。図表8は「コロナの影響を受けて第一志望校を変更したか」を尋ねたものだが、9割近い学生はコロナによる影響は「ない」という回答をしている。しかし、第一志望を変更した理由についての問いに対しては、「学力に合わせた」が最も多く、次いで「興味のある分野が変わった」「取りたい資格が変わった」「経済的な事情」「地元に残るため」と続いており、第一志望校変更においてコロナウイルス蔓延が社会に与えた被害が遠因となっている可能性は否定できない。特にアーバンとローカル※2で比較すると、「地元を出るつもりだったが残ることにした」「移動を伴う都市部での受験を避けるため」には10ポイント以上の差があり、コロナが影響し、地元への残留率が高まった理由となったと推察される。次に、出願の状況を見てみたい。高校生一人当たりの出願件数については、図表9にある通り進学センサス2019と比較して減少している。出願を1件に絞る学生が増加しており、エリア別では南関東で平均出願件数が約2件近くも減少している。これは、指定校推薦合格者が増加(後述)して専願合格者が増えたこと、総合型選抜も含め年内入試と一般入試との併願が減少した可能性が影響していると考えられる。出願校数については微減にとどまったという結果が出ているが、出願校が「地元の学校」か「地元外の学校」かについて見てみると(図表10)、「地元の学校のみ」が進学センサス2019と比較すると、大学進学者全体では1.5%微増にとどまるが、アーバン/ローカルで比較すると、ローカルの高校生は「地元の学校のみ」に出願したと回答した高校生が進学センサス2019(「家から通えるエリアの学校のみ」)と比べて13.9ポイントも増加しており、エリアを越えた進学を控えた傾向があることにも、コロナ感染拡大の影響が推測される。続いて、進学先への入試方法への影響を見てみたところ、進学センサス2019と比較して指定校推薦が7.2%プラスと大きく増えた一方、一般/共通テストで合格した学生は7.8%減少している。年内入試へのシフトはさらに強まっている。もちろんコロナ影響のみが理由ではないが、安定を志向して年明け入試を敬遠したことが窺える(図表11)。出願や入試といった「進学先を決定する」段階でも、直接・間接にコロナによる影響があったと思われる。図表8新型コロナウイルス流行の影響を受けて、第1志望校を変更したか(単一回答)/変更の理由(複数回答)直接的なコロナ影響はないとしながらも、変更理由にコロナ影響が窺える。(%)13.087.0変更していない変更した全体 21卒大学進学者(%)0102030405060興味のある分野が変わった取りたい資格が変わったなりたい職業が変わった自分の学力に合わせた経済的な事情があった移動を伴う都市部での受験を避けるため地元を出るつもりだったが、地元の学校に進学することした家族の勧めがあった高校の先生の勧めがあったその他全体 大学進学者全体35.420.817.441.319.613.718.311.112.49.1高校所在地 アーバン38.220.114.741.818.89.112.610.012.712.6高校所在地 ローカル30.122.222.540.421.122.529.013.311.92.7志望校決定、出願や入試への影響安全志向・地元志向 色濃く221卒

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