カレッジマネジメント229号
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20リクルート カレッジマネジメント229 / Jul. - Aug. 2021リクルート進学総研では、今年2月、全国の高校に教育改革の進捗に関する調査を実施。本稿ではコロナ禍の影響と、入学者選抜改革や新学習指導要領への取組等について報告する。まずコロナ禍の進路指導への影響を見ると(図表1)、進路指導は優先度高く取り組まれたことがほかの設問から分かっているが「特にない」は1%に満たず、ほぼ全ての高校で何らかの影響が生じた。「進路ガイダンス・進路相談等の行事の中止・延期」が82%と最も高く、以下「オープンキャンパス指導が十分にできなかった」77%、「保護者向け進路ガイダンス等の中止・延期」51%と、対面・集合型、経験型の指導が縮小を余儀なくされ、フリーコメントでは進路選択のミスマッチ等が懸念されている。なお「大学への期待」の設問(図表は割愛)で順位を上げ1位となったのは、「実際の講義・研究に高校生が触れる機会の増加」(54%)だった。“コロナ禍で不足したリアルな接点”がより一層大学に求められている。※「2021年 全体」の降順ソート020406080100(%)81.976.951.348.539.623.310.410.210.05.72.71.60.7(n=1156)進路ガイダンス・進路相談等の行事の中止・延期オープンキャンパス指導が十分にできなかった保護者向け進路ガイダンス等の中止・延期インターンシップが十分に実施できなかったオンライン等入試方法の変化で指導が難しかった外部模試の受験回数が減った総合型選抜、学校推薦型選抜の指導が十分にできなかった生徒の家庭の経済状況の相談への対応が難しかった文理選択や科目選択の指導が十分にできなかった志望変更への対応が難しかった大学入学共通テストの日程選択が難しかったその他特にない図表1「新型コロナウイルス感染症拡大」の進路指導への影響(全体/複数回答)ガイダンスやオープンキャンパス等、対面・集合型、経験型の指導に大きな影響進路指導の縮小が余儀なくされ、卒業後のミスマッチを懸念「高校教育改革に関する調査2021」結果詳細はリクルート進学総研サイト( http://souken.shingakunet.com/research/ )でご覧いただけます。コロナ禍と入試改革元年に試された高校の「変化対応力」高校教育改革に関する調査2021コロナ禍で進んだもの・進まなかったもの進路指導に大きな影響。ICT活用は計画以上に進展1高校・先生の変化対応力2調査対象全国の全日制高等学校4738校調査方法郵送調査+インターネット調査※校長宛てに調査票を郵送、回答を記入の上郵送にて返送または記載のURLからインターネット調査に回答調査期間2021年2月1日(月)~3月5日(金)投函締め切り※2021年3月10日(水)到着分までを集計対象とした注)コロナ影響により当初予定2020年を2021年に変更し実施した。前回調査実施は2018年。集計対象数1156校(回収率24.4%)調査概要回答者プロフィール設置者別国立4校(0.3%) 都道府県立790校(68.3%) 市町村区立55校(4.8%) 私立301校(26.0%) 無回答6校(0.5%)高校タイプ別普通科単独校676校(58.5%) 普通科と他学科併設233校(20.2%) 総合学科75校(6.5%) 専門学科128校(11.1%) その他7校(0.6%) 無回答6校(0.5%)地域区分北海道91校(7.9%) 東北140校(12.1%) 北関東・甲信越140校(12.1%) 南関東208校(18.0%) 東海128校(11.1%) 北陸29校(2.5%) 関西143校(12.4%) 中国・四国128校(11.1%)九州・沖縄143校(12.4%) 無回答6校(0.5%)

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