カレッジマネジメント229号
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31リクルート カレッジマネジメント229 / Jul. - Aug. 2021まず、高校側の変化に対応した入試を設定する動きを見ていきたい。このテーマに合致するのは、これまで高大接続事業を丁寧に実施してきた大学が多い。その蓄積のなかで、高校側で起こっている「探究」を軸にした変化を敏感に察知し、その要望に応えようとする動きである。要望とは、「探究活動を進めていった先はどうなるのか」「大学は入試でそうした生徒をきちんと評価してくれるのか」といった高校現場の切実な声である。改めて、「探究」を軸にした高校の学習指導要領の変化について触れておきたい。「探究」は、2022年度より年次進行する次期学習指導要領の柱だ。日常生活や社会に目を向け、生徒が自ら問いを立てて課題を設定し、情報収集、整理・分析、アウトプットまでの一連の行為を回すプロセスで、問いが問いを呼び新たな課題設定に至り、スパイラル的に連続していく動きとなる。問いを設定し、教科書に書かれていることやメディアの情報を鵜呑みにせず、自ら手足を動かして一次情報を獲得し、フィールドワークに赴き、自分の目で確かめる。自分の問いを検証し、成果をアウトプットしたうえで、次の問いにつなげる。こうしたサイクルを回すことで「自分の●1925年創立の日本産業能率研究所を起源とし、即戦力となるプロフェッショナル人材の育成を通じ、産業界の発展に貢献し続けてきた大学●社会接点の多い大学としての課題意識から、「持続可能な多様で豊かな社会」の担い手となる牽引者を選抜する目的で入試を構想●獲得人材・自ら主体的に社会と関わり、未来を見据える視点を持つ人材を獲得人材に設定・そうした人材は高校の探究活動を主体的に実践してきた人材と符合するものと定義・探究活動に力を入れることで産能大で活躍できるという高校教育→大学教育への接続筋を通す●未来構想レポート・学力を評価する科目試験と構想力を評価する本試験の2段階で入試を構成・後者では実在する村や島の衰退から、そうならないためにはどの段階でどういう打ち手を講じれば良かったと思うか、自らの視点で分析し、提言する力を問うレポートを作成・問いたいのは「自らの視点で問いを立てる力」であり、データを読み解いたり、周辺情報を集めて仮説を立てたり、ベンチマーキングから参考情報を引き出す等、社会活動を成り立たせる様々な行動能力を入試で問いたいという目的に照らし、情報収集のためのデバイス利用が許可されている●社会変化に合わせて教育を改革してきた自負のもと、大学として注力するアクティブラーニングやPBL、社会・地域連携の適性を問うことで課題に向き合うスタンスを汲み取ると同時に、高校との接続を実現する社会に必要な実践型人材を輩出してきた大学として、今の日本が解決できていない課題に取り組む姿勢を入試で問い、同時に高校教育と大学教育の接続を実現した。産業能率大学は、大学教育に必要なレディネスと高校の探究を接続する入試を一般選抜で導入した。産業能率大学 一般選抜(未来構想方式)検討経緯注目すべきポイントCase① 入試特集 コロナ×入試改革をどう乗り越えたのか高校の変化への対応(入試面)1

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