カレッジマネジメント229号
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47リクルート カレッジマネジメント229 / Jul. - Aug. 2021終身雇用からジョブ型に変わりつつあることへの対応も課題です。そういう情報について、学生は我々以上に非常に過敏に受け止めているからです」。2019年の公立化とともに本格化した改革の取り組みが、地域連携の強化推進だ。むろん、開学当初より地域連携には取り組んできた。立地エリアを「ホトニクスバレー」と称して光技術の国際的研究拠点の形成を目指し、開学前年の1997年に設立された産学官コンソーシアム「ホトニクスワールドコンソーシアム(PWC)」の中核となって事業を推進してきた。光科学に関する研究成果をもとにした大学発ベンチャーの創業・育成支援に実績がある。ただ、公立化は、大学側から見ると、私立では実現しにくい研究力や国際連携推進力の大幅な向上を目指したものだが、千歳市から見ると、地域課題への大学のサポートに大きな期待改革に取り組む学内の体制整備として、まず課題となったのが、教員数の少なさだ。ST比(教員1人あたりの学生数)が高く、公立大学としては教員数が非常に少ないという。「公立化以降、研究力・教育力を高めるための教員増は、千歳市とも協議済みです。特に、国際共同研究にも積極的に参加してくれるような若手の教員を、毎年複数名、採る予定です」(宮永学長)。2020年度からは、オンライン化科目やハイブリッド科目のコンテンツ作成、実験・実習の少人数化による担当講義時間の増加等の負担も加わっている現状に対しては、TA(Teaching Assistant)の採用拡大や、事務職員による支援で、改善を図っている。「例えば授業のオンライン化で、配信形式に合わせた装置の整備等、教員だけでは全く対応できず、システム運用の支援等を職員が多く担いました。そういがある。そこで、2019年4 月の公立化とともに「地域連携センター」を設置し、地域創生構想『スマートネイチャーシティちとせ』(Smart Nature City ちとせ:SNCちとせ)を提唱、その推進を主な活動内容として、地域のステークホルダーと協力し、広く活動を展開することとした。千歳地域には、支笏湖や鮭の遡上する千歳川等もあり、国際都市であると同時に農業や漁業の課題も多くある。そのため「SNCちとせ」は、幅広い地域課題に、大学が有するICT等の科学技術の活用による解決を図るものとなった。さらに、グローバル化の推進にも取り組んでいる。国外大学との連携、留学生の確保や国外インターンシップ・国外留学、国際共同研究等の推進を行う方向だ。また、2001年にNPO 法人化したPWCも、活動範囲を千歳地域に限定せず、世界に向けた事業としていっそうの拡充を進めたいとしている。理学と工学を横断的に学ぶ新素材・高機能材料生物科学・医療工学食品科学・環境工学モバイル・知的家電ロボット・コンピュータLSI・ネットワークデータ解析・人工知能ソフトウエアインターフェイス人間力・コミュニケーション力・プロジェクトマネジメント・キャリアデザインアカデミックリテラシー・言語リテラシーの強化応用化学・材料科学環境・生物工学応用物理学電気電子工学情報通信工学情報工学ソフトウエア工学サービス科学理工学専攻専門横断的な大学院教育数理・データサイエンス・人工知能(全学必修科目)研究力強化グローバル化学びの領域・異分野連携研究・国際共同研究・国際連携・新学術領域研究応用化学生物学科電子光工学科情報システム工学科キャリア教育共通教育科1年生2年生3年生4年生大学院シームレスな連携公立化により地域課題解決への取り組みを強化教員数増加により教育体制を強化

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