カレッジマネジメント229号
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61リクルート カレッジマネジメント229 / Jul. - Aug. 2021ョンの機会が奪われていくなか、改めて大学として様々なコミュニケーションを生み出していくことの大切さを認識する出来事であった。さらに建築面積を有効に活用するため、外部廊下構造を採用しており、全ての教室が直接中庭に面していることも大きな特徴である。敷地の高低差も大きく、正門を入ってすぐのシンボリックな空間、ステージ状に段差を設けた中庭空間、大きくドライエリアを設けた地下空間等、いずれも教室等の内部空間と外部空間を一体的に活用することが可能な設計となっており、学生達の創意工夫によって、授業以外にも様々な活用が期待される。本学が女子大であることの特色として、各階に特徴的なパウダールームを設けており、ここも学生同士の重要なコミュニケーションの場となっている。このような女性の目線に合わせた施設の整備にあたっては、設計者、施工者ともに女性担当者を現場に配置することを意識しており、建築業界で働くロールモデルとして工事現場を活用することも本学キャンパス整備の特色といえる。本学のキャンパス整備は第三次整備計画に入っており、2024年まで継続する予定である。 文/竹内康弘 (法人本部長)換気量の増強や空気清浄器、サーキュレーターの設置などの追加対策工事を実施し、withコロナ時代に活用する校舎として安心安全な環境整備に努めた。また新校舎は様々なコミュニケーションが生まれる場所であることをコンセプトに設計されたものであり、緊急事態宣言が明け学生達が再び登校した4月には、コロナ禍で望まれることではないが学生達の歓声が新校舎から沸き起こった。もちろんマスク着用や三密を避けるなどの行動は意識しているが、屋内外の空間をうまく活用し、新校舎でのコミュニケーションを楽しんでいる様子が印象的であった。コロナ禍で学生同士のコミュニケーシ全ての教室が中庭に直接面する外部廊下構造。壁面も活用したアクティブラーニングスペース。コロナ禍に対応した換気設備と床材。外部空間との連動性を意識した学生ラウンジ。女子大学であることの特色

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