11リクルート カレッジマネジメント230 │ Oct. - Dec. 2021「志」を改革に繋げる、はじめの一歩――「志」はある。しかし改革を進めていくために具体的に何から手をつければよいか、打ち手が分からないという大学もありそうです。いくつかやり方はあるかもしれませんが、まずその大学の改革なり成長なりを考えるコミッティーを立ち上げて、OBや学生、地域社会の人々など、本当にその大学を愛している人と議論をして、どこを伸ばせばよいかということを考えるべきでしょう。突き詰めて言うと「5年先に自校は存在しなくなる」という前提で会話を始めたほうが危機感を持つということに繋がり明確な見解が生まれるかもしれません。――自校「ならでは」のこだわりを考え直す場を作り、言語化すること。そして原点の思いに立ち止まっているだけではなく、未来に飛ばして想像を膨らませることが大事ということですね。そうですね。とにかく、当たり前の教育はあきらめないといけない。どういうことが自分達の差別化に繋がるのか、「自分探し」をしないといけないと思う。学生を不幸にするような社会悪にならないようにするためにも、社会に存在する理由、パーパスにこだわらないと自己否定になってしまいます。また、そういう自分達の大学の存在価値を考えられなければ、何の社会課題の解決もできないでしょう。どんな会社にも、どんな大学にも存在理由は見つけられるはずですが、それは、自分探しなので誰かから答えを与えられるものではないのです。自分達自身から志を高めるところに最大のトリガーがあるのです。また、それを客観的な社会課題側に探し求めることにも全く意味がない。世の中には、解かなければいけない社会課題が山ほどある。解くためには相当のコミットメントやイノベーションが必要。企業経営にせよ大学経営にせよ、自分達側に志がない限りは何も進まないのです。(文/金剛寺千鶴子)テーマ2「コミュニティ」のKireiづくり(YYYな社会を実現します)テーマ3「地球」の未来のKireiの保全(ZZZな私たちの地球を守ります)テーマ1「個人」のKireiの実現(一人ひとりにXXXを提供します)ブランド及び社会インパクト評価の高い課題2050年を見据え、追加したい課題ブランド及び社会インパクト評価は低いが、 当社としてこだわりたい課題第1特集●大学ブランド 未来の指標図4 「志」の発掘~花王の「Kirei Workshop」の例
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