カレッジマネジメント230号
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13リクルート カレッジマネジメント230 │ Oct. - Dec. 2021成長に寄与する社会課題解決とは何か」を生活者の購買意向を軸に調べたところ、「顧客自身の人生に親和する、そのブランド『らしい』社会課題解決」が最も重要で、次に「そのブランド『らしい』社会課題解決」、最も付加価値が低いのが「誰でもやるべき社会課題解決」であった。(図表2)サントリーを例に考えてみると、例えばサントリーがペットボトル軽量化をやったとしても、「やって当然」でしかないと思われている。しかし、「水と生きる」サントリーが水質保全に注力していることは、「意味も影響もサントリーならでは」となる。さらに当人の人生と重なる場合、例えば野鳥観察が趣味の人にとっては、自分の心の拠り所を守ってくれるブランドとして「真に自分ごと化される」ようになる。つまり、社会課題を解決するだけでは付加価値にならないが、ブランドらしさと調和することで価値がりながら、人にとっての価値を高められるか、である。別の言い方をすれば、「このブランドにはコミットしたい」と感じてもらうことが大切なのである(図表1参照)。ではそのために何が必要か。それこそが、社会課題解決の先にあるIdeal States(=目指す状況)の提案であり、そこにおいて人がどんな精神的な状態で生活し得るか、そしてその実現においてブランドが何を為すかを掲げることである。では、それは即ちSDGsへの取り組みを上手に伝えれば良いのかというと、そうではない。ここで、先日弊社で行った調査をご紹介したい。「事業機能価値情緒価値心理価値精神価値理論的な期待気持ち的な期待図表1顧客の頭と心の期待を北極星と設定し、そこに向けて「機能価値」を土台に「情緒価値」「心理価値」「精神価値」を積み上げていく「らしさ × 社会課題解決」という枠組み第1特集●大学ブランド 未来の指標

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