カレッジマネジメント230号
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19リクルート カレッジマネジメント230 │ Oct. - Dec. 2021瀬口学長は「今ある学部において十二分な教育・研究を行い、社会が要請する人材を育て送り出していくことはもちろん、まだ人材が十分に供給されていない分野があれば、率先して新しい学部を作り人材を供給していく。そうして女子総合大学として日本の女子大をリードしたい」と話す。さらなる飛躍のための当面の課題は、学部・学科間の横断的な教育・研究の充実だという。そのために瀬口学長が期待を寄せるのは、2020年に開設した女性活躍総合研究所だ。女性活躍推進、グローバル化推進、ダイバーシティ推進、次世代女性人材育成、女性のキャリア支援等、幅広い領域で研究を展開するとともに、「一生を描ききる女性力を。」のビジョン実現に向けた教育展開にも大きく関わっていくという。「2022年度から開始するガイダンスプログラム『MUKOJO未来教育プログラムSOAR(ソアー)』では、研究所所属の教員がこれからの女性のキャリアに関する講義等を提供します。学生のキャリア形成、研究教育活動等、様々な面で、本学や学生を成長支援する存在になることを期待しています」。社会の要請を敏感に察知し、教育・研究に反映しながら選ばれるための大学経営を推し進める武庫女。女子総合大学としての今後の進化に期待が高まる。(文/浅田夕香)そしてもう1つ、社会とのつながりを重視し、その課題に応える取り組みが、2020年4月の食物栄養科学部、建築学部、経営学部の3学部の新増設・改組だ。社会からの要請がある分野で活躍できる人材をしっかりと教育・輩出していくことが武庫女の意義であるという考えのもと、女性比率が未だ低いが人材ニーズがある領域に着目。就職先の見込み、入学志願者予測、ステークホルダーの意見等からニーズがあると判断し、改革に踏み切った。中でも経営学部は、既存の学科を拡張して設けた他2学部とは異なり、武庫女初の社会科学系学部として新設されたが、開設2年目を迎え、2学年を合わせた収容定員充足率は106.7%と全学部の中でも最も高い。この状況を、瀬口学長は「女性活躍推進法をはじめとした法整備が行われて女性活躍への期待が一層高まっているなか、女子学生の間でも仕事でキャリアアップしていく機運が高まっている。収容定員充足率だけでなく偏差値も良い水準に来ており、ニーズの高さを感じています」と評価する。これで10学部17学科、大学院7研究科、学生数約1万人を擁する女子総合大学となった武庫女。今後について、学部名学科名入学定員文学部日本語日本文学科150英語文化学科200心理・社会福祉学科160教育学部教育学科240健康・スポーツ科学部健康・スポーツ科学科180生活環境学部生活環境学科165情報メディア学科150食物栄養科学部食物栄養学科200食創造科学科80建築学部建築学科45景観建築学科40音楽学部演奏学科30応用音楽学科20薬学部薬学科210健康生命薬科学科40看護学部看護学科80経営学部経営学科200※青網は2020年設置図表 学部・学科の構成第1特集●大学ブランド 未来の指標人材ニーズの高い領域に学部を設け女性リーダーの輩出を目指す女子総合大学として日本の女子大をリードする存在に

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