カレッジマネジメント230号
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31リクルート カレッジマネジメント230 │ Oct. - Dec. 2021学び自体に限界があるのかと思っていました。しかし、語学の勉強は半年勉強すれば必ず半年分の成果が出る。やればやっただけ自分の成長として刻まれ、成功体験を作ることができるんですね。すると自己肯定感が増し、ほかのことに対しての興味が湧いてくる。違うことにチャレンジしてみたくなる。留学もそうですね。新しい世界に出て行ったことが自信になり、自己肯定感を高め、次の挑戦への意欲となる。このように外国語学習というのはとても素晴らしい、学びの基盤となるものです。また、今やどんな大学・学部に行っても英語は必ず勉強します。しかし、AIの自動翻訳機能は日進月歩で進化しています。では、そういうなかで外国語を勉強するとはどういうことなのか。これからは中途半端な語学の運用能力では誰も評価しないのです。言語学を知ってものの考え方の違いを学ぶとか、言語によって発想が違うといって文化的なことを学ぶとか、またそれぞれの違いを単に批判や受け入れるだけでなく、クリティカルシンキングとして、鵜呑みにしないで自分なりに咀嚼して考える。こういった思考はグローバルに活躍する人材には必須です。そしてそのトレーニングをするには、語学は誰にでも開かれていて成長実感も持てる、とても素敵な入口なんですね。─神田外語大学では新しいグローバル・リベラルアーツ(GLA)学部を開設されましたね。宮内:語学を勉強することによってその背後にある文化、歴史、政治的なものなど、「平和のためのグローバル教養」を、同じ英語でも地域ごとの表現や違いを感じながら学んでいく。多様な視点・視座を得たうえで国際的な課題解決に貢献する。高い目標を持って世界を見ることができるクリティカルシンカーを育てる。そういったトレーニングをする学部としてグローバル・リベラルアーツ(GLA)学部を作り、今年4月に新入生を迎えました。60人定員ですが教員数が多く贅沢で、経営的には赤字ですが、これを成功例として、語学+αやクリティカルシンキングができる若者を育てて、4年後には国際機関等に人材を輩出したり、大学院に進学させたりすることができればいいなと考えています。在学中にたくさん頭を使って思考し、考案し、企画し、設計し、アウトプットする。4年間のデルタ(差分)を最大化するため、怠けていてはだめだよ、君達は世界で一番勉強しない日本の大学生ではなく、最も期待される学生だよ、と伝えたい。プロジェクト学習も、実業界の人達との接点を多く設けたいと思っています。そのモデルは実は昭和女子大学のメンター制度等なんです。本学も女子学生が7割の学校ですので、女性にもっと自己肯定感を感じてもらおうと、女性のキャリアアップ講座も実施しています。坂東:昭和女子大学は女子大学なので女性に当然力を入れ企業が置かれている環境はグローバル化によって厳しくなっており、各社は生き残りをかけて戦えるクリティカルシンカーを求めている。そつのない「いい子」は通用しない。第1特集●大学ブランド 未来の指標

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